月恋 第183話 「いつでもどこでもハイテンション!」 ページ41
どんより、憂鬱な気分で久方振りの実家へと足を踏み入れる。家の門を潜り抜け、玄関の引き戸をガラガラガラッと音を鳴らして開ける。
暫く家を開けていたせいか、扉を開けた瞬間ふわりと白い埃が舞った。玄関の端に収まる下駄箱の上にまで埃がたまっていることから、矢張り父さんも家に全く帰っていないことが伺える。
この様子を見たら、きっと母さんは悲しむだろうな。家族がバラバラになってしまったみたいで。
そうしんみりしたことを考えながら、埃がたまり、白っぽくなった長い廊下を歩いて奥の部屋にしまってある掃除道具を取り出しに行く。雑巾とバケツ、それから掃除機を取り出し、掃除を始めるも、広い日本家屋の掃除が直ぐに終わるわけもなく。結局一日の半分を掃除に費やしてしまった。
ツキノ寮の騒がしさと楽しさに慣れてしまったせいか、静まり返った家で一人、真っ暗い夜を迎えて少し心細くなる。
心細さを紛らわすため、愛さんの持ち歌を流しまくる。私の家は里山付近にあるため、ぽつんぽつんと一定の感覚を空けて幾つか古民家があるだけ。詰まり、お隣さんとか関係無く音楽が流せるのだ。
愛さんの歌を歌って無理矢理テンションを上げているとき、携帯の着メロが鳴り出した。携帯の画面には卯月 新と名前が表示されていた。
何だ何だと思って出てみれば、「こーんーばーんーはァァァァァアッ」と謎のハイテンションでスピーカー越しに挨拶をされ、新さんの声が私の家全体に響き渡った。
「うるさっ!」
あまりの騒々しさに、思わず耳を塞ぐ。
彼は今、一体何時だと思っているのだ。幾らお隣さんを気にしなくても良いところに住んでいるとはいえ、あの声の大きさでは家の周囲まで響いてしまっている。詰まり、ご近所さんに迷惑が掛かるのだ。
「もう、新! 幾らなんでも大声の出し過ぎだよ。Aちゃんの親御さんにも迷惑が掛かるでしょ?!」
「新、流石にうるさいぞ」
通話をスピーカーモードーにしているのか、後ろから葵さんや始さんの声までもが聞こえてきた。
両親のことを気にしてくれた葵さんに、いえ、親は家に居ないんで問題ありません、とも返せず、苦笑いを浮かべるしか無かった。
月恋 第184話 「ぶっ飛んだ思考回路」→←月恋 第182話 「謎のカピバラさんスタンプ」
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櫻餅(プロフ) - ♯鈴音色♭さん» コメント有難う御座います！お話だけでなく夢主までも好きだと言って頂けて嬉しい限りです。また少しずつですが更新していきたいと思っておりますので、続編も宜しくお願い致します！ (2018年11月5日 18時) (
レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
♯鈴音色♭(プロフ) - 桜餅さんおかえりなさいです！ このお話も主人公ちゃんも大好きなので、続編お待ちしています！！ (2018年11月5日 17時) (レス) id: b160fc2e68 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - 深海さん» 返信が遅くなってしまい申し訳無いです。朏さんとのお話は自分も楽しく書いていたので、そう言って頂けて大変嬉しい限りです。中々更新が最近出来ていませんが頑張って行きたいと思います。コメント有難う御座いましたm(__)m (2018年8月27日 20時) (レス) id: fb6a326e77 (このIDを非表示/違反報告)
深海(プロフ) - 読んでいてとても楽しくなりました。特に朏さんの辺りの話が好きです。これからも楽しみにしています、更新頑張ってください。 (2018年8月25日 0時) (レス) id: 5947186a26 (このIDを非表示/違反報告)
ピヨコ - 丁寧に教えてくださって有難うございます。成程、私も試してみます。これからも頑張って下さい。応援しています。 (2018年8月4日 9時) (レス) id: 0464d791fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2018年4月15日 23時
