月に恋せよ暦ガール 【4】

月恋 第165話 「浴衣は帯のせいでお腹が苦しい」 ページ23

翌日、学校から帰るとエントランスにて寮の管理人さんから、私宛に宅配が届いていると段ボール箱を渡された。

誰からだ?と首を傾げながら、自分の部屋に行って箱の中身を確かめる。

「浴衣だ……」

箱の中身は浴衣。その浴衣と一緒に入っていた手紙には、これを着て祭りに行ってほしいと言う旨が書かれていた。因みに手紙の一番下に綺麗な字で、白き魔王様よりと書かれている。

何でわざわざ宅配で浴衣を届けてきたのか、どうして白き魔王様基、隼兄が私の服のサイズを知っているのか、この浴衣は一体全体どうしたのか等々、色々ツッコミたいことがあったため、直接聞きに行こうと隼兄の部屋へ行く。

だが、何処かへ出掛けているのかノックを鳴らしても出てこず。共有ルームにでも居るのかと、そっちも覗いてみたが姿は見えなかった。

お祭が行われる神社の前に午後18時に集合することになっている。

約束の時間まであと1時間。

浴衣の着付けをして神社まで歩けば丁度良い時間帯である。露店の食べ物を制覇する勢いで食べ歩くつもりだったものだから、本当はお腹回りを締め付けないワンピースを着ていく予定だった。

けれどこの浴衣を送り付けてきた張本人、隼兄は何処かへ行ってしまっていて寮内にはいない。抗議するにも出来ない状況だ。

此処は飲食系の露店制覇を諦めて、腹を物理的な意味でも精神的な意味でも括るしかない。

私は泣く泣く露店の焼きそばやたこ焼き、お好み焼き等といった重めの炭水化物達を諦め、隼兄から送られてきた浴衣の帯を締めたのであった。

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