ウラオモテカノジョ～あざとい女の子はきらいですか？～【1】 (ページ42)

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マネージャーは語る2 ページ42

今では誇らしいことに、大先輩である方々からも良きライバルとして対等に見ていただけています。

だからこそ私は思うのです。

これだけ知名度も人気も実力もあるのだから、そろそろ顔出しをして、アーティストデビューしても良いのではないだろうか、と。

元々、あまり歌が得意ではなかったミケちゃんですが、彼女の保護者的存在である坂本さんと事務所の先輩である花澤さん、そして彼女の良き理解者であり親友である久野ちゃんとの猛特訓のお陰で、今ではすっかりアイドル顔負けの歌唱力の持ち主です。

そのため、なんとしてでも彼女の歌をファンの方々に披露して欲しいという私と事務所側の強い意向により、私達は1つの提案をしたのでした。

それは、顔出し一切なしの匿名でYouTubeに歌ってみたを投稿することです。

人前で歌うことに抵抗があるならば、いっそのこと顔も名前もすべて伏せて。三ヶ井Aが歌っていることを分からなくしてしまえば良い。

それで、彼女が100%の力を出して歌えるのならと期間限定の歌い手活動に許可が降りました。

本人からも(久野ちゃんという最終手段を用いているけれど)ちゃんとした返事を貰い、さっそく様々な準備を整えて始めた歌い手活動。

初投稿はやはり、多少難しくとも話題の人気曲とミケちゃんの圧倒的歌唱力でインパクトを！と思い、ミケちゃんも大好きな「鬼滅の刃」のテレビアニメオープニングテーマである「紅蓮華」を選びました。

アニメと曲がどれだけ人気であろうとも、最初は匿名なうえにTwitterでの宣伝はもちろんのこと、一切の顔出しもしないということで、なかなか反応が貰えないことを覚悟していたのですが……どうやら私達は三ヶ井 Aという１人の声優の実力を甘く見ていた様でした。

それは「紅蓮華」の歌ってみたを投稿して数日が経った日のことです。