ウラオモテカノジョ〜あざとい女の子はきらいですか？〜【1】

二面性がある女の子はきらいですか？2 ページ21

その後、Aちゃんの圧力に耐えかねたスタッフさんは一目散に逃げていった。

「二重人格女！覚えてろよ！このこと言いふらしてやるからな！」

と、三流の悪役が言いそうな台詞を残していったスタッフさんの後ろ姿を、Aちゃんは鼻で笑った。

「はっ、お前の言葉なんて誰が信じるかっつーの……バーカ！」

普段は気遣いのできる優しい子なのだけれど、私に近づいてくる男性陣にはかなり容赦がない。

本当にAちゃんは裏表が激しい……というか、物凄い内弁慶だ。

「ごめんね久野ちゃん……私が遅くなったばっかりに！」

そう言って、頬に伝った涙を丁寧にハンカチで拭ってくれた。

「怖かったよね……」

怖い思いをさせてしまったと落ち込むAちゃんを励ますように、私は優しく笑いかけた。

「お仕事なら仕方ないよ。それにAちゃん、とっても格好良かったよ！」
「ほんと？！」
「うん！」

私に、格好良かったと言われて一気に表情を明るくさせるも、やはり先程のスタッフさんの言動が気に入らないようで。

「本当、なんなのアイツ！」

Aちゃんがあまりにも橋本環奈ちゃん並みに整った可愛らしい顔を歪めて怒りを露にするものだから、少しだけあのスタッフさんに同情してしまった。

「私は大丈夫だよ。それより、ごはん食べに行こうか！」

お腹が空いちゃったな、と話題を変えるようにして言えば、Aちゃんもまだ納得はしていないようであったが渋々頷いてくれた。けれどその後、入ったお店で偶然、江口さん、花江さん、西山さん、梅原さん、斉藤さん達に出会い、良ければ一緒にご飯を食べないかと誘われて断りきれず。

元に戻りかけていたAちゃんのテンションが一気に下がったのは言うまでもない。

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