【w.r.w.r.d】甘々【短編集】

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・mn「Aちゃん、ちょっとこっちに来てくれん？」
彼から手招きをされながら呼びかけられた貴女はなんでしょう、と彼の元へと行きます。すると彼から紙袋を渡され受け取るも意味が分からず首を傾げていると「まず、着替えてきてや。」と言われます。更に疑問を抱く貴女を気にすることなく強引に彼の自室へと背中を押されます。何が何だか分からないもののとりあえずと部屋へ入った貴女は紙袋を覗くと可愛らしい洋服が入っていました。そっと袖を通した貴女が扉からひょっこり顔を覗かせると彼は「可愛いめう〜。」と顔を輝かせます。今度は鏡の前へと座るように指示した彼は貴女の髪の毛を器用に編み込んでいきます。「出来た。」満足気にしている彼に貴女も笑みを浮かべお礼を伝え、でも突然どうしたんですか、と尋ねます。彼は笑みを深めれば「お誕生日おめでとう、Aちゃん。今日は俺とデートせぇへん？」と貴女の頬を撫でます。納得がいった貴女が大きく頷けば彼は手を差し伸べてくれるでしょう。

・ut「Aちゃん、好きやで。」
ふらっと貴女の自室に訪れた彼の手には高級そうなお酒が握られています。たまには彼と2人で飲むのもいいだろうと快く部屋へ招き入れれば穏やかな時間を過ごします。ふと彼が貴女を見つめれば優しく抱きしめ耳元で囁きます。擽ったくて少し笑みを零しながら突然どうしたの、と聞けば「生まれてきてくれてありがとうなぁ。」と愛おしそうに返す彼。そこでそういえば誕生日だったと気づいた貴女は甘えるように彼の肩口に顔を埋めます。ぽんぽんと頭を撫でてくれる彼にふふ、と笑みを漏らせば「そや、これプレゼント。」とポケットから小さな箱を取り出した彼は貴女の手にそれを乗せます。顔を上げた貴女はなんだろう、と思いつつ開けてみれば彼の瞳と同じ色のピアスが入っていました。「それ僕とお揃い。」とへらっと笑い自身の耳たぶをとんとん、と指で示した彼を見るなり早速付けて見れば「よぅ似合おうとるよ。」と。







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