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「そう思わへん?女もいない、夜の仕事で金稼いで父をがっかりさせていたのに対して、アイツは父に期待されていた。俺がアイツの代わりに病気になって行たらすべてが上手くいっていた気がするん。」
妹は微かに首を横に振り『それは違う』と行動をしてくる。
たまに俺はそんな事を思ってしまうくらい負の気持ちが大きくなる。
「ま、今更何言っても遅いけど。」
「お兄ちゃんがお姉ちゃんを大事にしているのは知っているから。子供の時からずっとずっと……私は見ていたから。」
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掴んでいた手の力が急に強くなり
「私はお姉ちゃんのようにはなれないけど、お兄ちゃんが大事なの。」
不意に離れた手が俺の左手に触れる。
「もうバカな事はしないで。」
まるで……何もかも知っているかのような言葉を口にしてから、笑いかけてくる姿は姉妹だなって思う。頭を何度かポンポンと叩いてから俺は言う。
「ありがと。」
「ん……」
「その……ゆうくんとは話せたん?」
「ママが話していた。私はお稽古の時間で挨拶だけで終わりになったけど。」
「そっか。母さんが話せたならええやん。じゃあ、俺行くな。」
そう言うて離れると妹は『また連絡する』なんて声を出して言うて来た。
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知っているんや
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俺がバカな行動をしたことを
母だけでない
妹にも知られている
隠していたかった
隠し通せないのは分かっていたけど
このタイミングで
……それが本音
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瀬奈(プロフ) - うずら様 コメントありがとうございます。動き出しました。やっと、ここからどう動いて行くのが4でもよろしくお願いいたします。 (2022年10月23日 22時) (レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
(名前)うずら(プロフ) - わわわわ💦動き出しましたね。本当に楽しみです。 (2022年10月22日 10時) (レス) @page50 id: 916cc9618b (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - うずら様 コメントありがとうございます。ゆっくりですが楽しんでいただけたら幸いです。 (2022年8月4日 14時) (レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - kkoyanagi様 コメントありがとうございます。泣顔頂きました! (2022年8月4日 14時) (レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
(名前)うずら(プロフ) - 彼はどこに?続きが楽しみです。 (2022年8月3日 17時) (レス) @page7 id: 916cc9618b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬奈 | 作成日時:2022年7月19日 16時