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ヒモ生活で大事なのは相手を好きになるより、いかに捨てられないか？
公園で拾われて最初に住まわせてくれた人はそれが一番の大事だって俺に言うた。
相手との行為は奉仕に近いから単純に言えば愛して愛し合う行為じゃない。
気持ち良くさせる事だけしか考えないし、俺は吐き出せたらそれでええって感じ。
最初がそうだった
そう……最初から躓いている
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「最初の女があかんのかも。」
思わず出た言葉にヤスは「はい？」なんて声を上げた。
「最初？」
「最初にシた人。ヤスは誰？」
「そういうことをここで聞く？」
「思わず質問したくなった。」
煙草を灰皿に押し付けてグラスを手に持つとヤスは「高校の先生。」なんて爆弾をぶっ飛ばしてきた。
「はい？高校？え?誰よ、俺が知ってる？」
「担任のえっちゃん。」
「…………マジで？ええ、いつ？いつ？」
「高2の夏に教室にて。」
俺が高校中退する前にそんな幸せな行為に及んでいたんですか？ちょっとマジで？
「あの、美人担任。」
「えっちゃんと初めての夏は最高でしたけど、なにか？」
「うらやましい限り。」
「大倉は？」
「え？」
「大倉の最初は？」
むっちゃ目をキラキラさせられてもマジに困る。しかし、自分で質問しといて自分の首絞めることなるってあほやな、ほんま。
「大人の人。」
「誰やねん、それ。」
「大人……名前すら覚えてへん。」
「大倉らしい。」
なんて笑って言われたけど正直に名前も知らない人。
分かっているのは
チカちゃんの友達
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------気持ちいい事してあげる
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それが最初
チカちゃんから教わってはいたけど、リアルにするなんて思いもしなかった
何が起きているか分からないまま行為をする
はっきり言うて地獄に感じた
気持ち良さよりも、苦痛が大きかった記憶が今ではなんかよくわからないでシている
生きる術として俺はシているだけなのかもしれない
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年11月17日 16時
