アカシア 2 (ページ23)

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『恋愛には何パターンかあってね、あの子は悪いパターンを選択してあんたを生んだの。でも、後悔はしてなかったから安心してね。』

チカちゃんはそう言うて、俺に不安を与えつつもちゃんと安心を与えてくれた。

子供なりに話が理解できる頃にはチカちゃんが母親でないということは分かっていたからさ。

だから、ママでなくチカちゃんって呼ぶのが正解だって言うことも俺なりには分かっていたつもり。
自分の親は別にいるけど今はいない。

『好きな人の子供を産んでも相手が認知しなければ不幸になる！男だったら……』

学校より濃い教育を受けたのは小学校5年。
時間割に書かれていたのを見ていきなり『私が学校より正確な授業をしてあげよう!』なんて言い出した。ちゃんとゴムをしないと大変なことが起きる事を細かに説明受けて、なぜかつけ方まで教わるってありえねぇ。

『忠義を置いて先に逝くなんて親としてダメだけど、許してやってね。』

よく言うてた言葉。

あの日、玄関で待っていても帰ってこなかった人はどこで亡くなったんやろう？

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なんでセンセに親が別にいるなんて話したのか自分でも全く理解できない。

なんとなく

感情に流されたって言うのが正解かもしれん。

俺が淡々と話していくのをセンセは黙って聞いていたし、表情も変えず「そうか。」だけ言うてから茶封筒を手に取って小さく息を吐き出す。

「隆平に返しておく。今の話はアイツには言わないから。」

そう言葉を残してセンセは出て行った。

生んでくれた人と育ててくれた人の違い何てどうでもいいのかもしれへんけど、俺にとっては大きな問題だったからその部分だけの違いを知ってほしいって言うくだらない感情が引き起こしたのまでは
ええけど、なんで？

ま、いいかって思いながらベッドに寝そべった。

間違いは残り3つあるけど、それが解明されたからって何が起きるわけでもないからいいかなって。

左肩を軽く押さえてから俺はため息をする。

一番は……探偵が調べた内容がチカちゃんを悪く言っている記述がなかっただけが救い。

誰も悪者になってない記述は一番大事だと思う。

何も知らない人が読むのだから。

「……ねむっ。」

やることない病室で俺はまた睡魔に襲われ始めてた。

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