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「え……」
「変な意味に取らんでな。チカちゃんが男連れ込んでくると俺から追い出されるから。」
チン！
エレベーターのドアが開くと丸山さんは初めて聞く言葉だったらしくて足取りが急に重くなってる。
「追い出されるって……その……」
「その、アレするから子供は出て行きなさいって言うやつですって。行く場所ないから、マンション下の公園おるときにすば るくんに声をかけてもらってそこから。」
「親ですよね？」
「多分、親。」
思わず笑って言うと丸山さんは信じられないって顔をするけど、そういう人もいるんですよーって言いたい。台車から新しい観葉植物を下して、交換しバーコードを読み込ませレンタルを継続させて今までのは持って帰り温室で管理継続。元気になったらまた違う場所で活躍というスタイル。
育てられなくて枯らしても大丈夫なのはレンタルで環境を見て配置を考えているから。
理事長室の手前のグリーン交換の時に目に入ったのは数枚の飾られている写真。よくある、偉い人写真掲示板って言うので、思わず見ると丸山さんは「こっちがマムでこっちがダダです。」と教えてくれた。
俺は素朴な質問をする。
「こっちの方と、こっちの方は同一人物？」
真顔で言うのは2枚飾られている写真にいますダダさんは同一人物だと思うんだけど、昔の写真はほっそりで、今現在らしき写真はぽっちゃり。
更に、片方の髪の毛はフッサフサですけど、片方は……ものすごく必死に髪の毛を前に……これは某
漫才師師匠並みに頑張って前髪を作っている。
「使用前使用後みたいですよね。」
「俺、そこ前言うてへんから。」
「あら？」
「オブラートに包んで言おうとしているのに思いっきり言っちゃう？」
「無駄な抵抗していて、僕的にはあきらめて剃っちゃえばいいのにって思うんですけど。」
「でも剃っちゃうと落ち武者みたいで危険人物になるってマムに言われてそのまんまなんですけど。」
「なら、植えるか被せるか粉をまぶすかって話をしたらダダ泣いちゃって。」
実の息子、結構恐ろしいこと言まくる。
笑顔で傷つく言葉バンバン言うてるし、ダメージ食らいまくりだよね、お父さん。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年11月17日 16時
