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それは一体誰のための ページ24

十束が口を開こうとした時
彼の端末が鳴り響いた


「…出ないの?」


「草薙さんからだ」


1度紫城に断りを入れて通話に応答した十束は
内容を聞くにつれその表情を険しくした


「…うん。
わかった、ひとまず1度戻るよ。

俺も報告したいことあるし、Aも話があると思うから。

少しAにも聞いてみるよ。
うん、じゃあまたあとで」


「草薙さん何だって?」


いつもの調子に戻った紫城が
十束に擦り寄りながらそう問う

しかしそれが取り繕っていることだというのはわかる


「…八田が先行した基地が当たりだったみたいんなんだけど
爆発が起きたらしいんだ。

端末も繋がらないみたいで
一応何人か捜索に出てるって話だけど、まだどこかわからないって話だった」


「…その当たりの基地って
ここだった?」


話を聞いた紫城が
自身の端末上のマップを示す

それを覗き込んで
十束は少し迷う素振りを見せつつ、草薙の言っていた場所とを記憶で照らし合わせる


「うん、多分間違いない」


その答えを聞いて紫城はため息をついて
髪を掻き乱す


「なにか覚えがある?」


「…そもそも青の王様に会ったのは
その基地の場所を電話で聞かれたからだ。

モグラはセプター4も追ってるらしくて
そこ、伏見も向かったって言ってた。



鉢合わせたんなら一緒にいるだろうから
それなら安心はできるけどね。

いきなり殺し合うみたいなこと
さすがにしないでしょ」


「…八田と伏見かぁ、懐かしいね。
でも、そっか。

それなら、平気かもね」



安心した様に笑う十束に
紫城も気の抜けたように笑う

十束がそう言うなら
なぜか安心できてしまう


その笑みに十束も少しだけ安心して
紫城の頭を撫でた


「うわ、なに」


「…喧嘩、ほどほどにね」


「っ…やっぱ気づいてたんじゃん。
ごめん、たくさん嘘ついた。

でも八田の場所まではわかんないよ。
こういうのは、アンナの専売特許だ」


たくさんの嘘をついたかもしれない
けれどその嘘は
その力は


紫城本人のためか
吠舞羅のためか
それとも

十束ただ1人のためか




彼の心は誰の為に働いているのか

隠していた話を口にする→←いつか必ず訪れる未来だと言うのなら



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設定タグ:K(アニメ) , 男主 , 吠舞羅
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作者名:鍵宮 | 作成日時:2019年7月9日 19時

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