mystery...24 ページ24
よし、と意気込んで歩美ちゃんに一つの提案をする。すると、彼女は大きく目を見開いて、その綺麗な瞳を揺らした。
「えっ……だってAちゃんもコナンくんのこと好きなんじゃないの？」
ん？何の誤解だ？？
私はコナンくんにこれっぽっちも恋愛感情なんて持ち合わせていない。
『なんのこと？私、コナンのことは友達としてなら好きだよ？』
「だって、Aちゃん、さっき顔が赤かったから...」
『……っ、たぶん、それは……。透兄ちゃんと重なっちゃっただけだよ！！』
嗚呼、自覚してしまったのがばれたか。ポーカーフェイスがまだまだだなぁ。
「...そうなんだ。てっきり、Aちゃんも好きなのかなって...」
『ううん、私はそんなんじゃないから安心して！？私は、歩美ちゃんを応援する！！』
ほっと安堵の色を浮かべた歩美ちゃんの手を取って、急ぎ足で教室に戻る。
勢いよく扉を開けると、クラス中の視線が一斉に私たちへと集まった。
「吉田さんに安室さん、遅刻よ？」
「ご、ごめんなさい」
『西沢先生ごめんなさい。
ちょっと具合悪くなってしまい、吉田さんに付き添ってもらってたんです』
「そ、そうなの？大丈夫？？」
『は、はい。たぶん...』
「具合悪いなら保健室行く？」
『いえ、今は落ち着いたので大丈夫です』
こそりと歩美ちゃんに耳打ちをして、彼女を先に席につかせた。
「そう？
じゃあ、もう授業始まってるから席につきなさい」
『はい』
大人しく先生の言う通りに席につき、教科書とノートを開く。
正直、ノートチェックさえなければこんなのとらなくていいんだけどな、なんて考えながらぼんやりと外に目線を置いていたとき、斜め前からねえ、と声が聞こえてきた。
『...ん？なあに？コナンくん...』
「...歩美、目元真っ赤なんだけどよ。……なんかあっただろ...」
『...ううん、何にもないよ。それにあったとしても秘密〜！...』
「...おい、なんだよそれ...」
コナンくんから視線を外し再び窓の外へと目を向ける。
この後、彼にどんなことを仕掛けようかと考えるだけでもわくわくしてきて、緩む頬を抑えることができなかった。
*
「Aちゃーん！一緒に帰ろう！！」
無事に授業も終わり、歩美ちゃんと並んで校舎を出る。すると、後ろから尾行を始める少年探偵団。
校門の目の前に止まっている白のRX-7を確認して、歩美ちゃんの手をとって走り出す。
彼女の目にも運転席の人物が見えたのか、ついてきてくれた。
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壟薇 - 面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月19日 3時) (
レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ミモザ - すっごく面白いです！次のお話も楽しみにしています！頑張って下さい！ (2019年7月26日 11時) (レス) id: 9414b767e6 (このIDを非表示/違反報告)
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