mystery...23 ページ23
仮病を使った次の日、学校へ行くなり、いろんな子たちから心配したんだよー！と声がかかった。
それにいちいち返事を返すのが多少面倒だったものの、小学一年生だからということで律儀に返事を返していき、やっとのことで自分の席へとたどりついた。
『おはよう！哀ちゃん！』
「おはよう。安室さん」
「あ、Aちゃんおはよう！！」
「おはようございます！Aちゃん」
「A、おはよう〜！！」
『あ、皆おはよう！！』
「熱はもう大丈夫なんですか？」
「歩美、お見舞いに行こうと思ったんだけど、安室さんもポアロにいなかったから、行けなくて……」
『あ、うん！たぶん、もう大丈夫！！透兄ちゃんに無理言って来ちゃったから、わかんないけど』
「Aちゃん、熱下がってない状態できたのか？」
『あ、コナンくんおはよう！』
「お、おう！おはよう」
いつの間にか来ていたコナンくんに驚きつつも、平静を装って挨拶を交わす。
すると、まだ熱があると疑ってきたコナンくんが、私のおでこと自身のおでこに手を当てて、計測を始めた。
「……うん。大丈夫そうだね。
無理しないでね！何かあったらいつでも言うんだよ？Aちゃん」
『う、うん！！ありがとう』
計測が終わるなり、哀ちゃんの元へと掛けて行ったコナンくん。
ふと視線を感じ、ぱっと顔を上げると、顔を真っ赤にした歩美ちゃんと目が合った。
？
顔を真っ赤にさせるほどの出来事があっただろうか、と頭をひねっていると光彦くんの声で納得した。
「コナンくんも大胆ですね〜」
「大根？今日の給食は大根はでねぇぞ？」
「大根じゃなくて、"大胆"ですよ」
「なーんだ、大根じゃねぇのか」
食べ物の話へと持って行った元太くんと光彦くんは放っておいて、瞳に涙をためた歩美ちゃんの肩をそっと抱いた。
『歩美ちゃん？』
人気のないところへと連れて行って、下を向いて声を上げずに涙を流す彼女の背中を規則正しくさする。
「わたし、わたしね....コナンくんのこと好きなの」
『うん』
「でもね、コナンくんはわたしのことなんか好きじゃなくて、別に好きな人がいるの...」
『うん』
「その人はね、歩美より大人っぽくて、かっこよくて、いつもコナンくんの傍にいてあげられる人なの...」
『……うん』
それはきっと蘭姉ちゃんさんのことであり、あそこは恋人同士なんだっけ？
たとえ、かなわない恋だとわかっていても、届かない恋だとしても夢みたいよね……。
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壟薇 - 面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月19日 3時) (
レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ミモザ - すっごく面白いです！次のお話も楽しみにしています！頑張って下さい！ (2019年7月26日 11時) (レス) id: 9414b767e6 (このIDを非表示/違反報告)
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