mystery...22 ページ22
「そんなことねぇと思うぜ？」
「あ、アニキ？」
「俺は少なくとも、いつもより楽しんで任務を終えることができたし、何より自分で遂行しているのと同じ感覚だった」
「あたしだってそうだよ！今までだって、手柄なんて全部ジンがとって行っちゃうくらいには、退屈だったのに、今回は宝の山だったんだよ？」
「そうだ。今回、楽しかった。君のおかげ、ありがとう」
コルンが再び目の前にやってきては手をぎゅっと握ってくれる。
「...というわけだ。わかったか、ベルモット。コイツは俺についてもらう」
「ちょいとアニキ！！俺にもなんか言わせてくだせぇ！！」
「ふん。勝手にしろ」
「アニキたちも言いやしたが、今回はとっても殺りやすく、楽しかったんですぜ？これは、全部ムーンライトの手柄と言ってもいい」
「……あーもう！！勝手にしなさい！！一応、あの御方には報告しておくわ！
あたしは用があるから、先に帰るわね！！」
ベルモットはもう限界！とでも言いたげに、髪をかき上げ、愛想をつかした奥さんのように、ちらりとジンを一瞥しただけで、すぐにバイクに乗って、この場を後にした。
「はぁ、面倒くせぇやつだな、アイツは」
「これでアニキも仕事が楽になりますぜ？」
「これからの任務が楽しみでわくわくしちまうよ！ねえ、コルン」
「嗚呼、楽しみ」
しゃがみこんでいたコルンは立ち上がり、私の頭を撫ぜる。
あ、零兄ちゃん並みに気持ちがいい。思わず、本能でコルンに抱き着けば、驚いたように仰け反ったが、しっかりと抱えてくれた。
「コルン、アンタ懐れてるねぇ」
「嬉しい。子供、好き」
「おい、コルン。お前、子供好きだったのか？」
「初めて知りやしたぜ？」
「俺、今日、知った」
「コルンも初めて知ったんですか？」
「嗚呼」
頭の上で飛び交う会話に耳を挟む。なんでも、コルンは子供好きだったらしい。しかも無自覚タイプの。……これは、いい情報かもしれない。うまくいけば、コルンに付け込んで……。
「バーボン、コイツ、どこの小学校通ってるんだ？」
「帝丹小学校ですが、……まさか、ジン」
「そんなことしねぇよ、俺をなんだと思ってやがる。ヒマな時、遊びに来な、ムーンライト」
「そうだね！それはいい案だよ！ジン！！」
*
ウォッカ、ジン、キャンティ、コルンの説得(？)により、ジンにつくことが決まったこの日。
私は幹部に正式に認められました。
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壟薇 - 面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月19日 3時) (
レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ミモザ - すっごく面白いです！次のお話も楽しみにしています！頑張って下さい！ (2019年7月26日 11時) (レス) id: 9414b767e6 (このIDを非表示/違反報告)
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