mystery...21 ページ21
「……ど、どんな作戦だったんです？」
目を見開き、言葉を詰まらせながらも声を発した零兄ちゃん。
「さあな？本人に聞いてみたらどうだ？バーボン」
ぎょっとしてジンを見上げる。そこには、もうさっきまでの目を疑うような表情のジンはおらず、いつも通り(？)の妖笑を浮かべたジンがいただけだった。
「あーえっと、なんて呼べばいいですか？彼女のこと」
零兄ちゃんが気まずそうにベルモットの機嫌を伺いながら尋ねた。……そう、これは気になっていた。ジンの言動でだいたい気がついてはいたが、まだ確証は持つことができていなかったのだ―――私が起用されるのか否かが。
「嗚呼、そうね。彼女のことは"ムーンライト"と呼びなさい」
「ムーンライトですか。もしかして、ムーンライト・クーラーが元に？」
「ええ。わかっているのなら聞かないで頂戴」
うんざりとしたようにベルモットが零兄ちゃんに言い返す。すると、わかりました……と零兄ちゃんは押し黙った。
「それで？どんな作戦だったのかしら？ムーンライト？？」
『ええと、それは……』
なんていえばいい？ジンにお任せした、なんてどう説明すればいい？
私が勝手に下調べをして、それをもとに爆薬を配置して、……ジンの好きなように。なんて、これ私が考えたって言っていいのか？！
悶々と考えていると、コルンがこちらによってきて、目線を合わせるようにしゃがみこんだ。そして、私の手をぎゅっと握る。
「大丈夫。ムーンライト、自信もって」
君ならできると励ましに来てくれたのだろうか。もし、そうならば、なんて彼は優しいのだろう。
コルンの目を見て頷けば、少しだけ、ほんの少しだけコルンの口角が上がったように見えた。
『まず、相手のアジトの下調べをして、地形や敷地の見取り図を描いた。建物の構造、荷物の配置、事細かに詳しく。
そして、次にアジトに潜り込んで、爆発物を仕掛けておいた。相手がわかりやすいような偽物と、こちら側しかわからない本物を。
あとは、逃走経路をいくつか確認しておいたし、作っておいた。絶対に見つからない場所、でもそれにはちょっとだけ難点があって、相手のボスの部屋の後ろを通るの。……だから、もしもの時用に何個か。
下準備はすべて私がやって、残りは実行部隊に任せた。好きなようにやっていいって。
準備だけはしておいたから、それの事前説明だけ。……だから、実際に成功させたのは彼ら自身で、私は何にもしてない』
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壟薇 - 面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月19日 3時) (
レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ミモザ - すっごく面白いです！次のお話も楽しみにしています！頑張って下さい！ (2019年7月26日 11時) (レス) id: 9414b767e6 (このIDを非表示/違反報告)
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