mystery...13 ページ13
ポアロの扉を開き、盛大にドアベルを鳴らす。
『梓お姉ちゃん！こんにちは!!』
「梓さんこんにちは〜」
「いらっしゃいませー！あら...コナンくんに、Aちゃんじゃない！
今日は安室さんいないけど……」
『うん！透兄ちゃんがポアロにいろって……！18時までに迎えにこなかったら夕飯も食べさせてもらえって！………ほら！』
ランドセルの奥底から五千円札を取り出して、彼女に見せると、梓さんは目を丸く見開いていた。
「ねえ、Aちゃん、奥座らない？」
コナンくんが奥へと私を誘導しようとしている。
はっはっはー！その手には乗らないからね！
『ううん、透兄ちゃんにカウンター席に座ってろって言われたから...。ごめんね、コナンくん』
「ううん。じゃあ、僕も隣に座ってもいい？」
『いいよ！』
えへ、と笑みを溢す。
内心、ため息しか出てこないくらい憂鬱だ。……どうしよう。こんなにどっぷり関わっているところなんか見られたら、絶対何か言われる……。
はあ、と溢れんばかりのため息を呑み込んで、ランドセルからドリルを取り出した。
「Aちゃん、コナンくん、何か飲みたいものある？」
「えっとー、僕オレンジジュース！」
『じゃあ、私も！！』
梓さんとはなんだかんだで親しくなった。子供って便利だなぁ、と心底感じる。
もちろん理由は単純。優しい大人とは変な探り合いをせずに済むから。この隣りでジュースを飲んでいる彼は別。優しい大人なんかじゃない。味方なんだろうけど、むしろ怖い。大人って恐ろしいとさえ感じさせられる。
彼のことは気にせず、今日の宿題を片付けた。
***
「すみませーん、コナンくん来てませんかー？」
いきなりベルがなったかと思ったら、ソプラノボイスのお姉さんが彼の名を呼びながら来店してきた。
「蘭さん！コナンくんなら、ここにいますよ！」
「あ、コナンくん！もう……！帰ってたんなら言ってよー！」
「ごめんなさい。蘭ねぇちゃん！
Aちゃんが一人じゃ寂しいかと思って、一緒にいたんだ！」
カウンター席から飛び降りて、蘭さんと呼ばれる女性の元へ駆け寄っていくコナンくん。
……猫だ。あれは猫だ。
「Aちゃん？」
首を傾げたお姉さん。
自己紹介しなきゃか……関わりたくないけど
と思いながらも渋々椅子から降り、お姉さんの元へと走る。
『初めまして！蘭、姉ちゃんさん？
安室 Aです。透兄ちゃんの従妹です。よろしくお願いします』
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壟薇 - 面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月19日 3時) (
レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ミモザ - すっごく面白いです！次のお話も楽しみにしています！頑張って下さい！ (2019年7月26日 11時) (レス) id: 9414b767e6 (このIDを非表示/違反報告)
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