もう君を愛せない

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照side




岩「ねえふっか」



長かった合同説明会も無事終わり、

俺たちは新大阪駅でお土産を探していた。



深「んー？」



恋人のふっかが真剣にお土産を選んでる

顎のところに手を置いてうーんと悩む姿

すごい可愛い、



岩「なんかいいのあった？」


深「うーん、、もうちょっと悩む！

あっちの店も見てきていい？」


岩「ははっ、いいよ。

俺はこれ買ってからそっち行くわ」



ふっかが小走りに違うお店の方に行ってしまった

あんなにはしゃいで、まだ子供かよ



『〜円になります』


岩「はい、これでお願いします」



会計を終わらせて、ふっかの元に行こうとした


その時だった





向「あれっ照！」



後ろから聞き覚えのある声で俺の名前を呼ぶ奴が1人


…康二、またお前か



岩「なにしてんの」


向「俺の同僚がな、リクローおじさんのチーズケーキ食べたいって言うからなわざわざ買いにきてん」


へー偶然だな。


こいつは向井康二。俺の大学時代の同級生。
スポーツで関西の大学に行ってたから俺の周りはこんな陽気な奴ばっかりだった。



岩「そうか、じゃあな」


向「あ、もしかして、深澤さん？」



ふっかの名前を出す康二にドキッとしてしまう



向「めっちゃええ人やったわ〜

深澤さんによろしく言っといてな！」



…なんだよ、びっくりした


そっか、俺が男と付き合ってるなんてこいつはわからないもんな



岩「おう、てかお前同僚待ってんだろはやく行けよ」


向「あ、せやった！阿部ちゃん待たせてるからもう行くわ！じゃあ！」



そそくさと帰る康二。

何にも変わってないなこいつ。




康二の言ったその"阿部ちゃん"

阿部なんて名字どこでもいるからその時はなんにも深く考えていなかった






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向「阿部ちゃん、買ってきたで！」


阿「ありがとうね」



カフェで温かいカフェラテを飲んでいるところに康二は帰ってきた。



向「もう今日で大阪最後なんやろ？」

阿「うん。はやく東京帰って明日の支度しなきゃ」



そっかーって悲しがる康二、子犬みたい



向「さっきな、大学の同級生に会ったんよ

今日の合同説明会も一緒で、そいつも今日東京帰っちゃうんよ〜」


阿「あー康二が資料作り頑張ってた説明会ね」


向「照、さらに社会人ぽくなってたな〜」



懐かしく語る康二の横で、その名前をよく呼んでいた元恋人のことを思い出していた。






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