23 ページ23
.
.
宮「あーやっぱり、」
店の戸締りを終えて、俺は阿部が待っている場所に走った
見つけた。またいつものところだ。
宮「阿部」
阿「ちょっと、連絡してよ…」
宮「ごめん。絶対ここだと思ったから急いで来ちゃった」
目をこする阿部。きっと泣いてたんだろうな
阿部の相談をよく聞いていた川沿いの公園
大人になっても、阿部はここに来ているのがわかった
宮「成長しないな、お前も」
阿「うるさいな。恋愛になると子供みたいになっちゃうんだよな」
宮「それで？なにかあったの？」
阿「…うん。」
少し黙って、阿部がゆっくりと話だす
手が震えてる。また泣きそうなのか？
阿「俺、ふっかのこと信じきれてなかったのかもしれない…」
ポツリと呟く阿部を俺は見つめることしかできない
阿「……宮舘なら、知ってるよね
ふっかに今恋人がいるってこと」
宮「うん。そりゃあ、もう三年も経ってるから…ね」
知りたくなかったと言わんばかりに阿部がため息をつく
阿部はそれに落ち込んでいるのか？
阿「どんな人、なの。」
宮「どんな人って…」
阿「綺麗な人？」
宮「…え？」
何を言ってるんだ？？
ふっかの恋人は、照で…
阿「可愛らしくて、綺麗で…
俺にないものをもってて…
…女性なの？」
.
.
.
俺は昔阿部が相談してきたことを思い出した
大学2年の夏、ここで初めて話した
蝉が鳴いていて、暑かったあの時
宮「何相談って」
半袖姿の阿部を俺は面倒臭そうに見ていた
その時は仲は普通で、でも別に相談し合うほどの仲でもなかった
でも、阿部は俺に話してくれた
阿「俺、同じ大学の深澤ってやつと付き合ってんだよね」
宮「あー知ってるよ。俺と講義たまに被るから」
阿「…驚かないの？俺が男と付き合ってること」
宮「別に。誰を好きになるとか自由じゃん」
阿「だよね。そうだよね」
不安そうに呟く阿部に俺は言った
宮「どうした、彼との未来が見えなくなったか？」
阿「……うん。元から見えてないよ」
何を返していいのか分からず俺は呆然と立ち尽くしていた。
.
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 348人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひーちゃん。(プロフ) - ytasanさん» 嬉しいコメントありがとうございます！！ (2020年7月24日 22時) (
レス) id: 666d245609 (このIDを非表示/違反報告)
ytasan(プロフ) - 更新の通知を見た時は声が出るほど嬉しかったです。最後まで楽しみにしています。 (2020年7月23日 4時) (レス) id: 5903fa3608 (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん。(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます！こんなに切なくするはずじゃなかったんですけどね…泣 (2020年4月6日 20時) (レス) id: 666d245609 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 切ないですね…。ぜひ、ふっかさんと阿部ちゃんには、ハッピーエンドになってもらいたいですね。 (2020年4月5日 4時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん。(プロフ) - ルルモさん» ぜひ作品の終わりまで読んでください！みんな幸せになる結末…頑張ります^_^ (2020年2月25日 23時) (レス) id: 666d245609 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひらのん♪ | 作成日時：2020年2月16日 23時
