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深「んっ…」



阿「起きた?」



深「亮平…」




目覚めると俺の横には亮平が座っていた

心配そうな顔をする亮平が俺に小さく微笑む



阿「勝手にキッチン使っちゃった、ごめん

はい、これおじやね。」


深「あ、いや、そんな。ありがとう」



亮平が作ったおじやを見つめる

久しぶりに亮平が、俺のために…




阿「えっ、泣かないで。どうした?」


深「…ごめんっ…。」



この人は今俺のためにここにいるんだ

懐かしくて、嬉しい



嬉し涙というものが、俺の頬に流れた



深「ちょっと、懐かしくて…」


阿「そっか。


もう、これで俺は帰るよ」



そう言って準備を始める亮平



深「そうだね、夜遅いし」



本当はまだ帰って欲しくない

でも言葉にできない自分が虚しい

待って、俺はここで聞かないといけないことがある



立ち上がる亮平が遠く感じる

手を、伸ばさないと



阿「じゃあね。お大事に」



リビングの扉に手をかけた時

俺は重い身体を起こして亮平の手を掴んだ




阿「え?」



深「まって…まだ、帰らないで…」



ふらふらの足、力が入らない掌

今、膝から倒れそう



阿「ちょっと、ふっか!」


深「ごめん、、、でも、まだ聞きたいことがあるんだよ」


阿「どうしたの…?」




亮平の温かい手を握って、俺は座り込んだ



何から聞けばいいのかな

何から、俺は、亮平に…



頭が混乱して、俺はとうとう泣き出した




深「どうして、どうしてよ…


っ…グスッ……どうして俺を見放したの…」



違う、そうじゃない


もっと、違うこと。


今の状況とか、いつ帰ってきたとか

そういうことをたわいもなく…






深「どんな、気持ちで

今俺の前にいるの…っ、教えてっ……」




ああ、もう本当に情けない



でも今の俺にはこれが精一杯だった







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ひーちゃん。(プロフ) - ytasanさん» 嬉しいコメントありがとうございます!! (2020年7月24日 22時) (レス) id: 666d245609 (このIDを非表示/違反報告)
ytasan(プロフ) - 更新の通知を見た時は声が出るほど嬉しかったです。最後まで楽しみにしています。 (2020年7月23日 4時) (レス) id: 5903fa3608 (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん。(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます!こんなに切なくするはずじゃなかったんですけどね…泣 (2020年4月6日 20時) (レス) id: 666d245609 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 切ないですね…。ぜひ、ふっかさんと阿部ちゃんには、ハッピーエンドになってもらいたいですね。 (2020年4月5日 4時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん。(プロフ) - ルルモさん» ぜひ作品の終わりまで読んでください!みんな幸せになる結末…頑張ります^_^ (2020年2月25日 23時) (レス) id: 666d245609 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひらのん♪ | 作成日時:2020年2月16日 23時

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