18話 ページ18
「お疲れ様だったね。さあ、ついておいで」
にこりと、気味が悪いほどに張り付けた笑みと、猫なで声。寒気がする。
無言で従うと、初老の男の隣に立つ女がこっちを睨んだ。どうやら態度が気に入らなかったらしい。
その視線にまるで気が付いてないかのように無視をする。
舌打ちをする声が聞こえたが、それも無視。
下手に関わって死にたくはないもの。
瞬きを一つ、ため息を一つ、深呼吸を一つ。そうやって、生を感じる。
大丈夫、大丈夫。
まだ、私は生きてここに居る。
先日見た資料の中に、彼らの情報があった。
犬と千種の実験はそれなりに簡単な内容のものだったらしく、そろそろ終わりが近づいているとのことだった。
骸は4つの輪廻を廻り終えていた。
そして、そろそろ5つ目の修羅道を廻り終えるところだそうだ。
最後の人間道だけが上手くいかずにてこずっているようで、まだ少し時間がかかりそうだった。
考え事と頭の中の整理をしていると、いつの間にか目的地に着いたようだった。
男に背を押され、目の前の扉を開ける。
ひやりとした冷たい空気が頬を撫でる。
随分と冷えた部屋だ。
そう思ったとき、後頭部に違和感。
意識が遠のいていく感覚。
ふわりとして、ぐらぐらとして……。
ああ、確か、前に感じたことのある感覚だ。
視界が闇に覆われ、私は瞳を閉じた。
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杏 - いえいえー当然の事を言っただけですー喜んで貰えて光栄ですよー それと、音域を広げる練習、頑張ってくださいー諦めずに頑張れば報われるはずですからねー ふむ、来月ですかーコトハ@白亜さんの小説は奥が深いのでーワクワクしますねー楽しみにしてますー (2015年8月21日 12時) (レス) id: 7c8a29757a (このIDを非表示/違反報告)
コトハ@白亜(プロフ) - 杏さん» 返信ありがとうございます。そう言っていただけると作ってよかったと思えます…ありがとうございます。なるほど、その方法がありましたね…早速試してみようと思います。アドバイスありがとうございます。せめて再来月までに公開できるよう頑張ります…! (2015年8月20日 18時) (レス) id: 5c05607229 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 大丈夫ですー、ミーも返信遅くなってすみませんー 気に入った作品にコメントするなんて当たり前じゃあないですかー 音域が狭い、ですかーピアノで音を取ると結構出やすいですよーあとは、歌いたい曲を練習してー音域を広げるのもいいと思いますー 続編、待ってまーす (2015年8月20日 15時) (レス) id: 7c8a29757a (このIDを非表示/違反報告)
コトハ@白亜(プロフ) - 杏さん» 返信ありがとうございます、遅くなってすみません!わわ、続編までコメントいただけるんですか…ありがとうございます!嬉しいです!音痴というか出せる音域が狭いんですよね…なので歌が上手い人羨ましいのです… (2015年8月19日 0時) (レス) id: 5c05607229 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - はいー、頑張って下さいー続編出来るまで此処を見に来たりしましょうかねー 一番に作品を見に行ってコメントしたいですー…音痴?そんなのカラオケが悪いんですー声の質は様々じゃないですかー (2015年8月17日 11時) (レス) id: 81089b7519 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コトハ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年6月13日 17時