完全リクエスト 短編小説２

いのあり ページ49

有岡side

伊野ちゃんごめんね！
許してもらえないかもしれないけどちゃんと言うよ！


そう心の中で思いながら伊野ちゃんの元に向かった。
ヒビが入っただけらしいけど２週間は安静らしい……

やっぱり俺のせいだ……



病室について俺は喋れなかった。

色んな機械に繋がれて焦点の合わない目で目をキョロキョロさせてたから……


しばらくして知念と山田が廊下に出た。
そして帰ってきたと思ったら……

知念「大ちゃんきて」
有岡「うん」

と、俺が呼ばれた。


廊下で……




知念「大ちゃんはさ伊野ちゃんと喧嘩したことどう思ってる？」
俺は素直に答えた。
有岡「凄い後悔してる」
山田「そしたらさその後悔は消せないけどせめて薄くしよ？」
有岡「え……」
知念「真っ白な紙に黒いインクが落ちたとします」
山田「その紙はどうやっても真っ白には戻せない」
知念「ならせめて薄い灰色にしよう？」
山田「ね？」

有岡「うん！」
俺は大きく頷いた。


病室に戻って、伊野ちゃんの前に立った。

伊野ちゃん「大ちゃん…………ごめ……有岡「ごめんね！！！」
伊野尾「え？」
有岡「ごめんね、伊野ちゃんが忙しいの知らなくて……」
伊野尾「俺こそごめんね八つ当たりなんかしちゃって……」
有岡「ううん、いいんだよ」

薮「伊野ちゃんさ、もっとみんなを頼りなよ」
八乙女「そーだよ、こんなにいるんだからさ」


伊野尾「うん！ありがとう」
そういう伊野ちゃんの頬には涙がつたっていた。

いのあり→←いのやま

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す