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「…で、なんの用でしょうか」
食堂までの距離は長い
途中でどこか別の道を通ったところで彼に見つかりはしないだろう
階段を降り廊下を真っ直ぐ進んでいく
「一星。はっきり言うが俺達はお前を信用していない」
「ええ、知ってますよ」
俺は歩きながら答える
「そう警戒しないでくれ、同時に敵視もしていないんだ。…今はな」
後ろの方で足音が途絶えた
ここから先へは話が終わらないと行くつもりがないらしい
仕方なく足を止め面と向かう
彼等の真剣な眼
…明日人くんと同じだ
「今はですか… つまりこういうことですか?
俺があなたがたを離脱させようとしたら敵にまわると?」
「…そんな単純なことで呼び出した訳じゃない。」

(どういうことだ?離脱が怖くないのか?)

その可能性を見越すなら彼等は俺と行動をとらないはずだ
それに何故、
「…よく分かりませんね、ならどうして俺を夕食時に明日人くんの元へ行こうと誘ったのですか?」
「お前はあの時明日人と話をした、それが知りたかっただけだ」
「話をしたら何かあるんですか?まさか動けない彼を離脱させようとしたとでも?」
「本当にそのつもりならお前は好機を逃したことになる。」
「お前は明日人を離脱させるつもりはなかったってことだ」
「…今回は、ですよ。」
俺は目を背ける
本当に彼らの目は真っ直ぐだ
澄んでいて 見ていられない

少しの間の後、万作さんが歩き出す
どうやら食器を片付けに行くらしい
「もう、話はいいんですか?」
「いや まだ少しある。…灰崎を見たか?」
俺は顔を上げる
「いいえ。知りません」
氷浦さんは驚いた表情をした
「入れ違い?」
「分かりません、明日人くんも知らない様でした どうしてそんなことを?」
「いや、ならいいんだ…」

『…灰崎、ここに来た?』

(……)
「明日人くんが」
彼がこちらを見る
「………あの部屋の窓際は寒いって、言ってました」
「…そっか、確かに雨も降ってるしな カーテンあっても寒いだろうな…」
彼はそう答えて歩き出す。
廊下の空気は冷え切っていた、時期も時期だ
動いていないと寒い
「もうそろそろ明日人も来る。…そうだ!一星!驚かせよう!」
「えっ」
「明日人びっくりするぞ!」
「えっ、急ですね…」
彼が廊下の柱に隠れる
仕方なく俺も隠れることにした
それから数秒後、遠くから走る音が聞こえる

(明日人くんがここを通るまで、あと
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設定タグ:稲森明日人 , オリオンの刻印 , IF   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:Rein | 作成日時:2018年11月19日 3時

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