【IFルート】7話以降IF明日人さん (ページ12)

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…
「万作、一星みたか？」
「…いや…、明日人の見舞いか？」
「そっか…俺達も後で行こう」
万作は少し驚いた表情をする
「…今じゃなくていいのか？」
俺はドリンクを流し込むと万作に内緒話をする様に言った
「今灰崎が明日人を背負って行った。一星もいないとなると…この状況だ。俺達が行くと悪化する危険が多い…と思う」
「…空気もピリピリしてるしな、
…で、名探偵さんの本当の狙いは？」
万作は帽子の鍔を少しずらして俺を見た
俺は少し驚いたが幼馴染みで良かったと実感する
「…灰崎と一星が、明日人に付くか否かを判断する。」
「成程…」
万作はそれ以上聞かなかった
大方考えていたことは同じのはずだ

…あの一言からもう灰崎と明日人の亀裂はできていた
今回のことで灰崎が明日人と話をすれば何か解決策が見つかるかもしれない
けれどその前に、一星が何か手を加えてしまえば…

…明日人はきっと一星に寄るだろう
俺にはどうなるかわからない
ただ、話を終えて帰ってきた二人をみて判断することしか今の俺には出来なかった

…俺は幼なじみだが、サッカーで明日人の隣になることはきっと難しい
それは島を出てからもはや決定的だった

明日人は目標を見つけて、前進し
全国大会を優勝する頃にはいつの間にか対立していたであろう、世界の異なる二人と並んで立っていた

(明日人はいつからそこに居たんだ…？)

その後も見舞いに行ったりで次第に俺は幼なじみという言葉のみを持っている気持ちになった

(これでもし、俺も代表に選ばれていなかったら…)

…もっと俺達の差は広がっていただろう
明日人は明るくフレンドリーだ
きっと別の友人を作って仲良くやっていけるはず
もしかしたら、俺よりも親しい人が出来るかもしれない

俺はこっちに来てからも不安で仕方なかった

…なのにこの前の一星の件で、明日人は目標としていた、この前まで隣に立っていたはずの灰崎と亀裂ができたのだ
俺は身震いした

(もし俺達がいなかったら、もし選ばれていなかったら明日人はあのまま孤立していたかもしれない)

このまま、明日人がどちらになるか俺にはわからない
だから俺は判断する

(どちらの方が今、明日人に近いのか)

もう一度ドリンクを流し込むと俺はボトルを置いてボールを蹴った