好きなのに

何か変わったのかな ページ7

猿比古が付き合った騒動から約一週間。

あれから二人とは一緒に帰ってもいない。

いつもだったら一緒に帰るのに。

屋上でサボってもいない。

お昼も食べていない。

いつもだったら一緒にサボったり食べるのに。

私が避けてしまっていた。

だけど、実を言うとすごく寂しい。

私が避けているんだけど。

いつも三人でいたから。

どこにいっても三人で笑いながらの記憶がよみがえってくる。

一人に離れてたはずなんだけどな。

行動を起こしたら何か変わるかもしれない。

そう思った私はタンマツのSNSを立ち上げた。

A今日、一緒に帰りませんか?

悩みに悩んでの敬語だ。

そしたら、数分後にメッセージが帰ってきた。

猿比古知ってるだろ、彼女がいること。

猿比古だから、お前とは帰れない。ごめん。

猿比古美咲と帰れば?

私はそれを読んだ瞬間、だよね、と思った。

当たり前だ。

彼女がいるのに帰れるわけないじゃん。

バカだ。

分かってるのに…！！

何で涙が出てくるの？

寂しくなんかない、わかってた。

…嘘。

そうだよ、悲しくなんてない！

悲しい！

寂しい！

何で先に伝えなかったのか後悔してる。

伝えても付き合えなかったかもしれないけど。

それでも伝えてたらこんな辛い思い、しなくてすんだ！

私は私が嫌いだ。

伝えられなかった自分が大嫌いだ！

貴「先に伝えてたら本当に何か変わってたのかな…」

私は涙もふかずに真っ赤に染まった空をただ見上げていた。

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