検索窓
今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:13,441 hit

全部忘れよう ページ20

猿比古が吠舞羅を抜けて一年もの月日が流れた

それでも、私の心の傷はいえなかった

猿比古のいない世界にはなかなか慣れることが出来なかった

多々良兄はそんな私を見て、楽しいことをたくさんしてくれた

私は楽しくないわけではなかった

むしろ、楽しかった

でも・・・

春にはみんなでお花見をしたり

夏にはみんなで花火をしたり

美咲の誕生日を祝ったり

秋にはいつものようにブドウ狩りやキノコ狩り、栗拾いを行った

冬はアンナの誕生日を祝ったり

皆でバーの前に鎌倉を作ったり

楽しかった

けど、楽しかった分だけ怖くなるのだ

私は誰も見れていなくて、誰の事もわかっていないのではないかと

そして、猿比古を思い出す

胸が痛くなって、忘れてしまいたくなる

そんな私を見て、多々良兄は言った

多「つらいよね」
 「辛いことは全部忘れよう?」
 「ねえA、俺にしない?」
 「俺だったらAの事、泣かせないよ?」


真剣とも嘘ともとれる表情で多々良兄は言う

貴「何言ってるの、多々良兄」
 「私、忘れたいって思うけど、忘れたくないんだ」
 「それと、多々良兄、冗談でしょ?」


そう私は笑って「尊兄のところ行ってくるー」と二階に上がった

だから、そのあとの多々良兄のつぶやきは私には一切聞こえていなかった

多「冗談じゃないんだけどなー」

痛くて→←しょっぱさ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
32人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

十束レイラ(プロフ) - 西條アリサさん» コメントありがとうございます!伏見、かっこいいですよね! (2018年12月17日 6時) (レス) id: 3991f2bb68 (このIDを非表示/違反報告)
西條アリサ - 面白かったです!伏見君、かっこいいです! (2018年12月16日 18時) (レス) id: 9d6400d0c3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:皇レイラ x他1人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年11月14日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。