私は君が ページ13
沈黙が痛い…。
気まずいし…。
早くしないと私の家についてしまう
せっかく美咲がチャンスを作ってくれたのに
無駄になんてできない
ここで言わなきゃ
もう二回目なんてない
二人で帰る事なんてできないかもしれないもの
私は乾いた唇を開き、彼を呼んだ
貴「猿比古」
猿「何だ」
彼が振り返る
貴「あのね、聞いてほしいことがあるの」
「私ね、猿比古が好きなの」
「彼女がいて、あきらめなきゃいけないのもわかってる」
「でもね、最後に言わせてほしいの」
「世界で一番、大好きだった」
「ううん、今でも好き。世界で一番大好き」
彼がひゅっと息をのむ音が聞こえてくる
彼は何も言わないから、私は言葉を続ける
貴「こんなこと言われて、猿比古が困るのもわかって…」
「え!?」
私は腕を引っ張られる
そして、そのまま猿比古に抱きしめられる
恥ずかしい
人生できっと、今が一番恥ずかしい
顔が熱く、赤くなるのがわかる
猿「お前は美咲が好きだと思ってた」
貴「…え?」
猿「俺もお前が好きだ」
え、どうして…と言いたいのに、言葉がうまく出てこない
頭が冷静になっていって、彼女の存在を思い出す
貴「駄目だよ、猿比古」
「猿比古には彼女がいるじゃない」
猿「別れてきた」
貴「え?」
猿「だから、別れてきた」
貴「どうして…?」
猿「お前のことが忘れられなくて」
貴「…!」
そのあと、私は家に着くまで、凄く恥ずかしいような、嬉しいような気持ちだった
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十束レイラ(プロフ) - 西條アリサさん» コメントありがとうございます!伏見、かっこいいですよね! (2018年12月17日 6時) (レス) id: 3991f2bb68 (このIDを非表示/違反報告)
西條アリサ - 面白かったです!伏見君、かっこいいです! (2018年12月16日 18時) (レス) id: 9d6400d0c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:皇レイラ x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年11月14日 18時