戦争の始まり ページ10
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『……つまり、現代の娯楽を教えろと?』
「…だが、興が冷めた。とく失せよ――」
興味を失ったといわんばかりのギルガメッシュの体がふと硬直した。
「………ほう………」
『…?』
先程まで冷酷な支配者の目をしていたというのに、今は新しい玩具を見つけた子供のような顔をしている。
「……中々……良い音色よ……」
小さな声で呟いた後、ギルガメッシュは金色の粒子となり外へ行ってしまった。
一人部屋に残されると、急に虚しさが襲ってきた。
つまらなさそうなあの男の表情が、私の中でむかむかと残る。
『………知らない………こんな気持ち…』
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屋根裏に行こうとした時、大きな魔力の波動を感じた。
『……この魔力……同時にいくつものサーヴァントの出現……?』
それは、聖杯戦争の本格的な始まりを意味していた。
気がつけば、体が勝手に動いていた。
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そこは、次元の違う場所だった。
地面は抉られ、コンテナは潰されている。
ただの人間には絶対にできない物の壊し方。
その場にいるのは、3体の人ならざる者。
((……あれは……))
初めに目に入ったのが、金髪碧眼の美しくも凛々しい少女。
だが明らかに群を抜いている魔力量。
すぐに、セイバーだとわかる。
次に、黒髪の槍を持つ青年。
艶めかしい、愁いを帯びた目つきに、何故か見惚れてしまう黒子。
ランサーだろう。
最後に、チャリオットに乗る大柄な男と小柄な少年。
豪快ながら威厳のある大男に、しがみつく手に見たことのある印を持った少年。
ライダー、だと思う。
何故、このように集まっているのだろうか。
いや、想像はつく。
ライダーと思しき男は明らかに後から来た風だ。
一方、セイバーとランサーは対峙するように武器を構えている。
もしや、と目を閉じ意識を集中する。
案の定、あの男もその場にいた。
気配を消してはいるが、部屋の管理をしている影響で少しだけ居場所を悟れる私にはわかる。
ギルガメッシュは、街灯の上で彼らの行く末を見守っている。
むかつく程に、王様だ。
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空気を変えたのは、一人の男の声だった。
「ほう、誰かと思えば貴様か。」
その声は高らかに夜の空間に響き渡る。
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カエデ - もう更新は絶望的かもしれませんが、いつまでもお待ちしております😭 (10月8日 14時) (レス) id: e7e0135c10 (このIDを非表示/違反報告)
指導者は白痴、かかってこいや当局 - まじかよ本当にいいとこで終わってんな、、、 (2021年8月26日 23時) (レス) id: 55ab4f5815 (このIDを非表示/違反報告)
Na Ryu(プロフ) - うそん!!?めっちゃ良いとこで終わってるー!! (2021年1月4日 9時) (レス) id: e0675e6765 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちゃん(プロフ) - コメント失礼します。ギルガメッシュが好きでこの小説を読み始めました。続きがものすごく気になります!更新頑張ってください!! (2020年6月12日 17時) (レス) id: 5728e25ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの - コメント失礼します^o^凄く面白いです!更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月21日 19時) (レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:またたび | 作成日時:2016年6月19日 6時