検索窓
今日:40 hit、昨日:8 hit、合計:422,274 hit

相性最悪 ページ6









「…………おい、貴様……………」



英雄王の纏う空気が一気に凍った。



「…今の言葉は、我に対してのものか…?」



スッと宝具を展開する英雄王に本格的に言葉を失った。



『………気分を害した様なら、謝罪でもしましょう。』



半歩下がって上体を折るが、視線だけは目の前の王に向けていた。

もし一瞬でも視線を逸らせば、その瞬間確実に脳天を貫かれる。

そんな気がしたのだ。



「………」


しかし、言い換えれば、こちらには謝る気が毛頭ない事も相手によく伝わる。

剣を一本宙に浮かべたまま、英雄王はピクリとも動かなくなった。



((………まずかったのか?………))











と思ったが













「……フ、フーッハハハハハハハッ!!!」

『!?』




なんともきれいな高笑い。




「……うむ、やはり殺すのは止めておこう。」

『……は?』




今はっきりと察した。

この英雄王たるギルガメッシュは、人類最古の自由人であると。




そして、もう一つ。




彼と私ではそりが合わないと。







『……そうだ、貴方に一つ言いたいことがある。』

「……ほう?」



金の甲冑が腕を組む時に音を立てる。



『……私は確かに遠坂時臣氏の弟子。でも、貴方はあくまで師のサーヴァント。私が貴方に忠誠を誓う必然性は皆無。』

「……それで?」

『つまり、私は貴方の命令を聞く気はない。文句は言わせない。』




言いたいことをズバリそのまま言うと、ギルガメッシュは目を丸くして私のことを見ていた。

案外驚くことが多いのだな、と他人事のように考える。




「………確かに、貴様の申す事は理に適っておる。よい、よい。多少の放言、とくに赦す。」




今度は私が目を丸くする番だった。

てっきり「無礼者」などと言って戦闘態勢に入るものだと思っていたのだ。



果たしてこの英雄王は懐が深いのか、短気なのか。




『……私、貴方の事がよくわからない……』

「フンッ、貴様如き雑種に我の事が理解できるはずもないわ。」




ギルガメッシュはそのまま奥に設置された黄金の王座に歩み寄り、ハッと息を吐きながら腰かけた。




「……雑種、貴様がこの部屋の管理屋だったな?」

『そう、それがどうかしたの?』



英雄王の姿は、その時とても儚く美しいものに見えた。

性格が合わなくても、やはり美しいと思うものは思うのだ。







「………………興が冷めた。」

『……わけがわからない。』

初戦→←召喚の儀/後



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (464 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
803人がお気に入り
設定タグ:Fate/Zero , ギルガメッシュ , 英雄王   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

カエデ - もう更新は絶望的かもしれませんが、いつまでもお待ちしております😭 (10月8日 14時) (レス) id: e7e0135c10 (このIDを非表示/違反報告)
指導者は白痴、かかってこいや当局 - まじかよ本当にいいとこで終わってんな、、、 (2021年8月26日 23時) (レス) id: 55ab4f5815 (このIDを非表示/違反報告)
Na Ryu(プロフ) - うそん!!?めっちゃ良いとこで終わってるー!! (2021年1月4日 9時) (レス) id: e0675e6765 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちゃん(プロフ) - コメント失礼します。ギルガメッシュが好きでこの小説を読み始めました。続きがものすごく気になります!更新頑張ってください!! (2020年6月12日 17時) (レス) id: 5728e25ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの - コメント失礼します^o^凄く面白いです!更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月21日 19時) (レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:またたび | 作成日時:2016年6月19日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。