召喚の儀/後 ページ5
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そして話は戻る。
私は英霊の一撃を難なく躱し、
攻撃を仕掛けてきた本人はその場に固まっていた。
勿論驚いていたのは私もそうだった。
いや、まさかいきなり殺されかけるとは思ってもいなかったのだ。
「……ほう。」
「え、英雄王。その者は私の弟子としてこの家に仕えているのです。どうか、ご容赦を。」
焦って英霊に頭を下げ赦しを請う時臣を見て、ようやく私がとんでもないことをしてしまったのだと思った。
しかし、何がまずかったのか、それはわからない。
「…善い。よく見れば中々に顔の整った娘だ。その面貌をもって赦す。」
金色の英霊は、私の事をじっくりと観察している。
本来異性に体を執拗に見られるのは嫌いなのだが、何故かこの男に対してはそういった感情が浮かんでこなかった。
((……しかし、思っていたのと違う))
勝手にキレられ、勝手に赦されてから少し経ち、浮かんできたのは困惑の感情だった。
ギルガメッシュ。
確かに彼は暴君として名高く、王であるが故に、きっと一般人と思考がずれているに違いない
とまでは考えてはいたのだ。
だが現実は、挨拶がてらの攻撃、その上顔がいいという理由であっさり身を引いた。
そして何より、時臣氏の唖然の表情。
((……これが"予定外”というやつだろう……))
確かに聖杯を得るには強すぎる能力なのは相違ない。だがそれを遥かに上回るマスターに対する傲慢な態度。
駒としては、最悪だ。
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「真彩」
一人でいろいろと悩んでいる間に、どうやら一通りの契約が終わったらしい。
名前を呼ばれすぐに意識を向けた。
『はい』
「王を部屋に案内してくれ。」
『……了解しました。』
召喚後に英霊に使わせる予定だった部屋。
軽い束縛呪文のかかった部屋だ。
万が一の時のため、何か異変があれば呪いをかけた人間……つまり私に信号が渡ってくる呪いをかけた。
『……どうぞ、こちらに……』
「……」
先ほどまでと打って変わり、一言も発さなくなった傲慢男がやや不気味に思えたが
おとなしく案内をした。
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『……どうぞ』
中に入ると、男はふんっと鼻を鳴らしこちらに振り返った。
「こんな薄汚い場所を、我の寝間としろ…と、そういうことか、雑種?」
雑種扱い。先ほどの態度といい、本当にこの英霊
『態度のでかい奴だ』
「……は?」
あ、やばい。
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カエデ - もう更新は絶望的かもしれませんが、いつまでもお待ちしております😭 (10月8日 14時) (レス) id: e7e0135c10 (このIDを非表示/違反報告)
指導者は白痴、かかってこいや当局 - まじかよ本当にいいとこで終わってんな、、、 (2021年8月26日 23時) (レス) id: 55ab4f5815 (このIDを非表示/違反報告)
Na Ryu(プロフ) - うそん!!?めっちゃ良いとこで終わってるー!! (2021年1月4日 9時) (レス) id: e0675e6765 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちゃん(プロフ) - コメント失礼します。ギルガメッシュが好きでこの小説を読み始めました。続きがものすごく気になります!更新頑張ってください!! (2020年6月12日 17時) (レス) id: 5728e25ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの - コメント失礼します^o^凄く面白いです!更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月21日 19時) (レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:またたび | 作成日時:2016年6月19日 6時