散歩のお伴 ページ32
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その後も暫くギルガメッシュの部屋で会話を続けた。
他愛もない話、現世で何が流行っているとか、どういった娯楽があるのかとか
そういった事。
そういえば、私は彼にこういう事を教える事命じられていたのだった。
それ所じゃなくて、忘れそうだったけれど。
だが、それも長くは続かなかった。
話に一区切りつくと、ギルガメッシュは急に現代服になった。
『どうしたの?』
「ここで話し続けるのもつまらぬ。我は外に出る。お前も来るか?」
『……』
目を見開いて瞬きをする。
「…何だ、何を固まっている」
『…いや、貴方が私の意見を聞こうとするなんて…』
そう言うと、ギルガメッシュは驚いたようにこちらを見つめた後静かに呟いた。
「……そうだな……それもそうだ。」
その反応は少し異常だった。
『ギルガメッシュ?』
「…フンッ、ならば貴様も来い。どうせ陰湿な部屋に閉じこもるだけなのだろう?」
『…ええ、わかったわ。』
少し違和感を感じたもの、大人しく従った。
暫くは彼に逆らう事はしたくなかった。
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夜の空気はピリピリと張りつめている。
現在の冬木はここ最近の殺人事件もあって、警戒態勢が強まっている。
かなりの頻度でパトカーが隣を走り抜けていく。
そんな中、私とギルガメッシュは並んで歩いていた。
狙われやすいのが子供なせいか、警官は私達には声を掛けない。
お互い何も話さない。
静けさが二人を包む。
『……ねえ、何処へ行くつもり?』
沈黙に耐えきれず、一番気になっていた事を尋ねる。
「…さてな。」
『…さてな、って…』
「…何か良い催し物は無いのか?」
『…貴方ね…こんな街で祭りなんてやってないわよ…?』
そう言うと、あからさまに顔をしかめられる。
本当に無茶な事を言う英霊だ。
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と、その瞬間。
「そこにいるのは、アーチャーか!」
突然の大声に僅かに肩を震わす。
振り返ると、そこには巨人がいた。
『!?』
「…貴様は…」
その男には見覚えがあった。
『…ライダー…』
そう。
セイバーとランサーの戦いの中にいた戦車を操る英霊。
だが、彼の恰好はその時見たものとは別物で、謎のTシャツを着ていた。
しかも、肩に大きな樽を担いで。
「貴様、何をしている?」
「丁度いい!これから余はセイバーの城で酒宴を開くが、貴様も来んか?」
嗚呼、自由な英霊が他にもいたのか。
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カエデ - もう更新は絶望的かもしれませんが、いつまでもお待ちしております😭 (10月8日 14時) (レス) id: e7e0135c10 (このIDを非表示/違反報告)
指導者は白痴、かかってこいや当局 - まじかよ本当にいいとこで終わってんな、、、 (2021年8月26日 23時) (レス) id: 55ab4f5815 (このIDを非表示/違反報告)
Na Ryu(プロフ) - うそん!!?めっちゃ良いとこで終わってるー!! (2021年1月4日 9時) (レス) id: e0675e6765 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちゃん(プロフ) - コメント失礼します。ギルガメッシュが好きでこの小説を読み始めました。続きがものすごく気になります!更新頑張ってください!! (2020年6月12日 17時) (レス) id: 5728e25ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの - コメント失礼します^o^凄く面白いです!更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月21日 19時) (レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:またたび | 作成日時:2016年6月19日 6時