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nb「あのさ」
dt「うん?」
nb「この前、泊まった時…」
dt「…うん」
nb「俺、寝てる時なんかした?」
dt「いや…翔太は…」
nb「…?」
dt「…なんもないよ」
nb「……」
dt「どうして?」
nb「…俺と付き合ってって言わなかった?俺に」
dt「………」
長い沈黙。
困ったような泣きそうな顔。
nb「…言ったんだ」
dt「ごめん」
nb「なんで?なんで謝るの?」
dt「…俺が好きなだけでしょ?翔太のこと」
nb「は?なんでそうなんの?」
dt「お試しだって言ったけど、もうとっくに好きだったと思う。最初から。でも翔太はそうじゃないだろうなって思ってたからお試しって言って、俺の思いに付き合わせて…ずっとそうしてた」
nb「……」
dt「でも…この前翔太が泊まりにきた日の朝、翔太が…」
nb「なに?」
dt「俺のこと、好きって…寝言で」
nb「……」
耳が熱くなって、気づく。
夢の中で探し求めていたのは間違いなく涼太だったこと。
嬉しそうな顔を見ると自分のことのように嬉しいこと。
もっと見ていたい、もっと笑ってほしいこと。
いないと少し寂しいこと。
この気持ちは幼なじみだからじゃなくて、
間違いなく本物の恋人への愛だってこと。
dt「でも…普段の翔太は俺のこと、なんでもないみたいに過ごしてるから聞けなかった。俺のことどう思ってるのなんて」
nb「…」
dt「期待しちゃってごめん…」
nb「勝手に終わらせんなよ…」
dt「え?」
nb「俺だって…会いたくなったり、寂しいって思ったり、ちゃんとしてる。涼太にだけそういうのたくさん思う。嬉しい顔見たら俺だって嬉しくなるし、前よりも好きだと思うことが増えた」
dt「うん…」
nb「…こーゆうの恥ずかしくていつも逃げちゃうけど…もう逃げないから」
dt「え?」
nb「俺、涼太が好き。やっと気づけた。これが恋なんだって…ちゃんと恋人としして涼太が大事なんだって」
dt「うん…」
nb「お試しなんて、言わないでよ…」
dt「もう、幼なじみではいられないよ?」
nb「うん、わかってる。それがどーゆう意味なのかも」
真剣に見つめたその目に見える涙はキラキラと綺麗。
自然と俺の目まで熱くなっていく。
dt「泣かないで」
nb「涼太こそ…っ泣くな」
dt「ふふ、嬉しくて」
nb「なぁ…前みたいにキスしたい」
dt「同じこと、思ってた」
微笑みあってキスすれば、頭がクラクラ。
まるで熱でもあるみたいに。
幼なじみは似たもの同士。
同じ恋の熱にうなされたまま。
そのままずっと冷めないでいよう。
そう思った。
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こるこる - 大好きです!応援してます!! (7月26日 18時) (レス) id: 9197daf582 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:stanley | 作成日時:2023年7月16日 1時