追いかけて問いかけ ページ23
『mmkj』 mm side
どれだけ走っても、手を伸ばしても追いつけないし届かない。
ふわふわと漂うベールを掻き分けて探すのにいない。
そして涙が出て、そのまま目を覚ます。
カーテンの隙間から差し込む光が顔に当たって眩しい。
(康二…何してるのかな)
珍しく自分の家で寝ている俺は、大好きな恋人に会えなくて４日目。
あまり連絡も取れないからか、変に寂しい夢を見始めてしまった。
４日も会ってないのは、久しぶりに喧嘩をしたからだ。
ことの発端は行きすぎた俺のわがまま。
mm「康二」
kj「ん？」
mm「そろそろさ、一緒に住まない？」
kj「…」
喜んでいい返事が返ってくると思った。
kj「…まだ、このままでええかな」
mm「え？」
kj「俺はまだ今のままでもええかなって」
mm「なんで？」
kj「うーん…何でって言われるとあれなんやけどな」
mm「え、理由ないの？シンプルに俺とずっと一緒なのは嫌ってこと？」
kj「そんなこと言ってないやん」
mm「じゃあなに？」
kj「何でそんなに怒るん？」
mm「絶対喜んでくれると思ったのに、たいした理由もないまま断られる俺の気持ちは？」
kj「そんな言い方せんでもいいやん」
mm「康二は俺のことどうでもいいの？最近冷たいのもふっかさんとかだてさんとの予定ばっか優先するのも、俺のこと飽きたから？」
kj「…何でそこまで言われなかんの？」
mm「は？」
kj「…俺やって色々考えてるのに」
徐々に目に涙が溜まり始める。
言いすぎた、そう思って康二の涙を拭おうとしたけどその手は振り払われる。
kj「触らんで」
mm「…康二」
kj「もう、帰って」
mm「康二ごめん」
kj「ええからもう帰ってや…今は無理」
いつもなら泣く康二を抱きしめて謝ったらすぐ仲直りなのに、今日は訳が違う。
mm「…ごめん、じゃあね。ちゃんと鍵閉めてね」
kj「…」
その日、康二は最後まで俺の顔を見なかった。
翌日、何事もなかったかのように康二にメッセージを送った。
mm『おはよう』
即返信なはずなのに、その日は何も返ってこないまま。
夜不安になって電話をかける。
kj『…もしもし』
mm『康二？何で連絡くれないの？』
kj『したいと思わんかったから』
mm『まだ怒ってんの？』
kj『……今佐久間くんといるから、切るわ』
mm『え？まって、ごめん』
言い終わる前に通話が切れた音が聞こえた。
完全に嫌われた？
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作者名：stanley | 作成日時：2023年7月16日 1時
