尊氏への想い ページ10
美尊「Aちゃんお兄ちゃんのことどう思ってるの?」
「え?」
美尊「お兄ちゃんを止められるのはあなただけよ」
「似たようなことを長谷部さんにも言われたよ。“Aさんが尊氏さんを説得すれば”“尊氏さんだってAさんの気持ちを知れば”って。でも、私もどうしたらいいか・・・」
美尊ちゃんの隣に腰を下ろして俯く。
私だってこんな現状続いて欲しくない。
結婚なんてして欲しくない。
それでも、私には解決策が見つからないの。
「・・・私の初恋、尊氏なの」
美尊「え?」
この際、美尊ちゃんには話そう。
もう一人で抱えきれない。
「今まで誰も好きになったことなんてなかった。私には、家族も、友達も、誰もいなかったから。だから尊氏のことが好きだって気付いたのも長谷部さんと婚約披露パーティー前に話した時だったの。優しい尊氏に惹かれたけど、今はその優しさが嘘のようで」
美尊ちゃんは黙って私の話を聞いてくれている。
「それでも、尊氏を好きな気持ちは変わらないの。美尊ちゃんと結婚するって聞いた時は凄く悲しかった。でも諦めることなんてできなくて」
だんだんと視界が涙で歪んでいく。
「尊氏が分からないよっ・・・美尊ちゃんと結婚しようとしてるのに、私がエイトさんと関わるのをやけに嫌がったり、いきなりキスしてきたり」
美尊「えっAちゃんお兄ちゃんにキスされたの!?」
「うん。尊さんが危篤状態になった日と、婚約披露パーティーの翌日に」
私がそう教えると美尊ちゃんは眉間に皺を寄せた。
美尊「やっぱりお兄ちゃんは・・・」
「どうしたの?」
私の声に美尊ちゃんはハッとしてこちらを見た。
美尊「何でもない。けど、お兄ちゃんにとってAちゃんは特別だよ」
「特別?」
美尊「お兄ちゃんはAちゃんのこと凄く大切に思ってるってこと。今のお兄ちゃんは何を考えてるのか分からないけど、それだけは確かよ」
「そうかな・・・」
尊氏を諦められればどんなに楽か。
そしたらこんなに悩まなくても、胸が苦しくもならなくなるのに。
その翌日。
私は宰子さんを探しに外に出ていた。
どこの誰なのか、全く分からない状態。
次にいつ会えるのか、なんて待ってる時間もない。
どうしても会って聞きたいことがある。
私のただの妄想ならそれまでだけど、宰子さんの秘密を知りたい。
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御羅津魅羽喜(プロフ) - 設定できてなかったんですね!教えて下さりありがとうございます! (2018年3月13日 14時) (レス) id: 612b752767 (このIDを非表示/違反報告)
玄ちゃん(プロフ) - 続編にいっているのであれば、続くではなく、続編にいっていることを書いてくださらないと分かりませんよ??? (2018年3月13日 14時) (レス) id: f00d27de65 (このIDを非表示/違反報告)
御羅津魅羽喜(プロフ) - 上手く話がまとまるよう頑張ります!コメントありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2018年3月1日 7時) (レス) id: 612b752767 (このIDを非表示/違反報告)
SAYA - すごくおもしろいです!応援してます!頑張ってください! (2018年2月28日 23時) (レス) id: ac3c02d033 (このIDを非表示/違反報告)
御羅津魅羽喜(プロフ) - コメントありがとうございました!これからもドラマに沿いながら尊氏とのシーンも増やしていくのでよろしくお願いします! (2018年2月14日 7時) (レス) id: 612b752767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御羅津魅羽喜 | 作成日時:2018年2月13日 13時