《トドメの接吻》 愛は誰にでも

やられた ページ24

美尊Side



Aちゃんの病室に来た。



寛之は未だ意識は戻っていない。



Aちゃんは頭と右腕を怪我して眠っている。



二人共命に別状はないらしいが、Aちゃんの方は寛之よりちょっと危険らしい。



美尊「Aちゃん・・・」



声を掛けても反応しない。



私はそんな中記憶の整理をした。



尊氏【どいつもこいつもあんなクズの言うことを！】



お兄ちゃんが寛之に叫んだ言葉や女の人にキスされたことが思い出される。



でもそれは記憶の中では２月１４日の出来事。



今日は２月７日。



美尊「夢だよね・・・」



時間が戻るなんて現実ではありえないことだもの。





翌日



新聞には“並樹乗馬倶楽部で同級生と知人女性に暴行 傷害の容疑で男子大学生逮捕”という見出しで道成の顔写真と事件の詳細が掲載されていた。



夢では旺太郎が死んだことが載っていたのに。



その時、朝の８時を知らせる時報音がなった。



そのタイミングでお兄ちゃんが部屋に入って来る。



尊氏「布袋が捕まったね。・・・信じられないよ」



８時ちょうどに入って来るのは同じなのに、言っている言葉は全く違う。



京子「尊氏さん。会社に行くの？」



ママも入って来た。



尊氏「昨夜のことを役員の人達に説明して来ます。美尊。婚約披露パーティーの謝罪は来週、改めて場を設けてもらうから、その時は頼むよ」



謝罪する時にお兄ちゃんから婚姻届を出されたことが頭に浮かぶ。



ただの夢なら、同じことは起きないはずだと考えたいけどどうしても夢と重なる現実がある。



京子「これから、美尊のことをよろしくね？最初は私も戸惑ったけど、今は並樹グループを継いでくれたらって思ってるの」



美尊「同じだ・・・」



どうなっているのか全く分からない。



私に何が起こっているの？






エイトSide



朝の新聞を見て警察署に駆け込んだ。



布袋は手錠を掛けられ刑事達と歩いていた。



エイト「おい布袋！」



刑事「あぁどうも。彼が長谷部さんを襲ったことを自供しました」



エイト「どうやって逮捕したんですか」



刑事「通報です」



エイト「通報・・・？」



俺の手前で止まっていた布袋達がまた歩き始めて俺を通り越して行った。



エイト「誰が・・・」



俺の頭に思い浮かんだのは尊氏。



すでにテープもアイツの手元に。



エイト「やられた・・・！」

面会→←逃げられる

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す