《トドメの接吻》 愛は誰にでも

タイムリープ ページ20

美尊Side



凶暴なお兄ちゃんの一面を見てしまい、思わず洗面所に逃げ込んだ。



扉に鍵を掛ける。



尊氏「美尊。聞いてくれよ」



お兄ちゃんが扉をノックするが私は今会いたくない。



美尊「聞きたくない。入って来ないで！」



宰子「もう・・・入ってる」



私しかいないと思っていたのにどこからか声が聞こえて来た。



洗面所にある扉の三つ中一つが締まっている。



そこに誰かいるのかもしれないと近付くと、そことは別の扉が開いていた部屋から女の人が飛び出して来た。



声を上げる暇もなく両手を壁に押し付けられてしまう。



宰子「死んで」



そう言って女の人は私の耳元に顔を近付けて囁いた。



宰子「エイトと幸せになって」



その言葉に驚く。



この女の人はもしかしてさっき真凛が言ってた・・・。



美尊「あなた・・・」



女の人の顔を見ているといきなりキスをされた。



そのことに驚くもだんだんと息が苦しくなって来る。



手も痺れて来た。



女の人が離れた頃にはもう立てない状態で、私はその場に倒れ込んだ。



薄れゆく意識の中、女の人を見る。



彼女は少し微笑んでいた。



そして私は、そのまま意識を失った。





・・・と思ったが、気が付くと私は全く別の場所にいた。



持っていたティーカップを思わず落とす。



落ちたティーカップは音を立てて真っ二つに割れた。



京子「大丈夫？」



ママが心配そうに私を見る。



美尊「お兄ちゃん！？」



尊氏「大丈夫？」



お兄ちゃんはママと同じように私を心配している。



さっきまでの怖いお兄ちゃんじゃない。



一体どういうことなの？








宰子Side



気が付くと私は並樹乗馬倶楽部の馬小屋に向かっている途中だった。



また一週間前に戻れた。



私は近くにあった箒を手に取った。



そのまま馬小屋に向かうと、エイトを殺した男がハンマーを振り回している。



エイトはまだ死んでない。



そばで長谷部さんとAさんが座り込んでいる。



Aさんが殴られる前には間に合わなかったようだ。



宰子「やぁー！」



箒で犯人の男を叩く。



エイト「宰子！」



でも力で男に敵うはずもなく突き飛ばされてしまう。



エイト「お前何しに来たんだよ！」



私が倒れ込んでいる間に男は私から奪った箒をエイトに投げ付けた。



その衝撃で倒れるエイトを見て男は長谷部さんの手からテープを拾う。

重傷→←危険

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す