僕等の恋の行く末は 完結編

side F ページ10

「あ、北山っ・・待って」

「ヤダよ、俺だけとか。藤ヶ谷も、な」



そういって、口端を上げた北山は、ふっと妖艶に笑って見せた



「あ、ちょっ・・きたやま、あっ・・・」



北山の、節のある少しだけごつごつした指が、ゆっくりと俺自身を刺激してくる
上下に緩急をつけられているだけで、腹の底から沸き上がってくる何か


ヤバい・・あっと言う間に達してしまいそうだ



「ふ・・あぁ、あ・・」



思わず、高い声が漏れて、自分の手で口元を覆った



「藤ヶ谷こそ、声出てんじゃん」

「だって・・お前が、ぁ・・・」


北山の指先が、俺の先端をゆるゆると撫でる
その刺激だけで、情けないくらいに、透明な蜜が溢れ出してきて、俺は思わず目を背けた


「俺はっ…いい、から！！」

「ダメ。俺が、藤ヶ谷にシたいの」


恥じらいのあまり、北山に待ったをかけるも、雄の目をした北山は、目を細めて、見たこともないくらい妖しく笑ってみせた

さっきまで、可愛い北山を堪能していたはずなのに、あっという間に形成逆転だ


「藤ヶ谷、きもちい？感じてんだろ？ココっ」

「ふ、あっ…ダメッ、だからっ…！」



カリッと俺自身の猛った先端を北山が指で引っ掻くように刺激する

それだけで、体がビクビクと反応して背中がしなる

ダラダラとだらしなく溢れ出す透明な蜜

駄目だっ…

ありえないくらい、きもちいっ…

俺に触れて、ゆるゆると上下に扱く北山の手
熱を持った男の目

ペロっと満足そうに上唇を舐めた北山の視線に射抜かれる


「んっ…あっ…ふっ…ん」


声が漏れるのが恥ずかしくて、思わず手の甲で口元を覆った


「お前こそ、声、漏れてるけど？」


意地悪に微笑んだ北山が、俺の鎖骨にチュッと吸い付いた

ふわりと香る、北山の匂い
それと同時に、うっすらと額にかいた汗が目にとまる

俺との行為に、こんなふうに汗を書いてくれるということが、たまらなく嬉しい

だんだん早まる手の動きと、荒くなる自分の呼吸

すぐ近くにある北山の後頭部に手を回すと、本能のままに抱き寄せて口づけた

side Ki→←side F

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す