それは、タカラモノ 〜第四章 最愛〜

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退院後に、北山と心も身体も結ばれてから、はや三日が経った

退院後から今日まで、俺達はずっと俺の部屋で過ごしていた





ついに今日の午後からは、俺も仕事に復帰する

退院後にもっと休めと、母親のように心配してきた渉たちを説得して、まずは体に負担の少なそうな雑誌の仕事から、久しぶりに参加させてもらうことになった

身体はまだ本調子とは言えないのかもしれないけれど、きっと大丈夫

北山が側にいてくれるから・・・



あの事件以降、初めて体を重ねた日から、ずっと北山は俺の家にいてくれている

仕事に行っても、夜には必ず帰ってきてくれて、ずっとそばにいてくれた
それが、何よりもうれしかった



「あれ、こんな時間からどこいくの？今日仕事夕方からだよね」

「あー、ちょっと、野暮用。心配すんな、すぐ帰ってくる」


ベットから体を起こした北山の姿が見たらないと思ったら、寝坊助な北山が珍しく、仕事でもないのに朝から身支度を整えている



「・・・」

「心配すんなよ、大丈夫だから」



ふと、あの事件の時も・・
こうやって俺の家から、北山のほうが先に出かけた

その時と同じ状況に、否が応でも不安がよぎる

そのことに気づいたのか、北山が俺のほうを見上げて、肩をポンッと叩いてくれた



「北山・・俺も・・」

「ごめんな、どうしても、今日会いたい人がいるんだ・・確かめてくる」

「え・・・誰に」

「なぁ、藤ヶ谷・・・」




そういうと、北山は少しだけ背伸びをして、チュッと俺の唇にキスをした



「信じて、待っていてほしい・・危険なことはしないから。必ず・・ここに帰ってくるから、仕事には、一緒に行こう？」


「・・・どこに、行くか…教えてくれたら・・・信じる」




ぎゅっと、北山の背中を抱きしめた

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