side M ページ13
「キタミツ・・」
取り乱した、ニカはきっと、知っていたんだと思う
キタミツが・・何をされたかも
その事実に、はらわたが煮えくり返るほどの怒りがこみ上げる
『もう・・やめて・・』
ニカのあの言葉の真意を理解して、涙が溢れる
ニカの悲痛な、絞り出すような声
だからずっと、俺達にその事実を伏せて、一人で我慢して、辛かったよな・・
あのあと、結局ニカ達と合流して、最後にキタミツの顔を見て帰ろうという話になった
俺達のほうを一度も見ないニカは、見たことのないくら辛そうな表情で、唇を噛んでいた
そんなニカを、何年も一緒にいるはずなのに、こんな形で見ることが、ひどく辛かった
個室に、入ると
ベッドに寝かされているキタミツは、不自然なくらいきっちりと布団に覆われていて
だけど、その表情が、普段楽屋のソファで気持ちよさそうに寝ているキタミツからは想像できないくらい、苦しそうで
俺はキタミツの寝顔を見ているだけで、胸がぎゅっと押しつぶされそうだった
あの、ふわふわの頬も、くるくると回る綺麗な瞳も、まるで全部、どこかへ行ってしまたように、目の前にいるキタミツは別人のように、疲れて、やつれているように見えた
乾いた涙の痕が
キタミツの辛さを、がやさんの辛さを
ひしひしと感じさせて、俺はそこに立っているのがやっとだった
「今日は・・遅いし、もう帰ろう・・明日からは、きっと・・事務所とも話をしなきゃいけなくなる・・」
横尾さんが小さく言った
さっき、横尾さんのケータイに、チーフマネージャーから連絡があったようだった
この件は事務所にも隠し通せるわけもなく
そのうち事情を聴かれることになるんだろう
「玉・・お前も、休もう」
回復してきたとはいえ、まだ病み上がりの玉を、支えるようにして、ドアへ促した
玉はさっきからずっと泣いたままだ
泣き止んでも、また涙が込み上げてくると、しゃくりあげて、震えて泣いていた
キタミツ・・がやさん・・
早く、二人の笑顔が見たいよ
二人がいないと、俺達まで・・・壊れてしまうんだ
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ピンクピーチ(プロフ) - あこさま!いつも温かいメッセージありがとうございます!励みにさせてもらってます!!もう少しで幸せな二人編に突入するので、もう少し頑張ります^_^ (2019年11月15日 15時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - こんにちは!更新されるたびに泣きながら読んでます。みんなの心の傷が癒えてふたりがしあわせな時間を早く過ごせることを願ってます。ピンクピーチさまもしんどい部分の更新大変だと思いますががんばってください!応援しております^^! (2019年11月15日 14時) (レス) id: c75777a11f (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - みってぃーさん» はじめまして^_^日課にしていただけて大変光栄です!そして、温かいお言葉!こちらこそ泣きながら読ませていただきます!!これからも、更新励みますので、良ければ読んでやってください★ (2019年11月11日 18時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
みってぃー(プロフ) - いつも更新ありがとうございます!毎日更新されているか確認するのが日課になってます。そして、更新された話をここ最近泣きながら読んでいます。作者様の作品はどれも心に刺さるものばかりで尊敬しています。大変だと思いますが更新頑張ってくださいね。 (2019年11月11日 17時) (レス) id: 4e432f1ab1 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - キスマイさん» ご愛読ありがとうございます!これからは、藤北以外のメンバーの心情も複雑に絡みながら展開していきます…また楽しんでいただけたら、嬉しいです^_^ (2019年10月27日 10時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年10月23日 15時