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side Ki ページ22

「ただいま・・」


誰もいない、自分自身の部屋の電気をつける

雑然とした俺の部屋
モノは少ないほうだから、散らかってはいないけれど、どこか寂しく感じる


ソファーの上に、握りしめていた紙袋を置いた
そのまま、どさりとソファに体を沈めた


もう、我慢する必要なんてないんだよな

そう思うと、自然と頬に涙が伝っていった


藤ヶ谷に突き返されたジャケットと洋服たちが静かに皺を作る
早くハンガーにかけないと皺になるなと思いつつも、身体に力が入らない

俺の私物を返された以上、俺もいつまでも・・コレ、持ってるわけにはいかないよな




ポケットの中から、カードキーを取り出して、見つめる


いつ来てもいいよ


そう言ってくれて、藤ヶ谷が俺に渡してくれたアイツの部屋の合鍵


そうは言われても、いきなり押し掛けるのは悪い気がして、いつも藤ヶ谷の家へ行くときは、一応断りを入れてから
行くようにしていた

そんな俺を見ながら、「合鍵渡してるんだから、遠慮なく来ればいいのに」とクスクス笑っていた藤ヶ谷の笑顔を思い出す

最近は、アイツが忙しいせいで、もっぱらこの合鍵にお世話になりっぱなしだったな・・


めったに自炊はしないけど、藤ヶ谷が食べてくれるかもしれないと思って、柄にもなく
手料理なんか作って、アイツの帰りを待ってみたりもした

好きじゃない洗濯も、やってみたりしたけど、柔軟剤と洗剤の種類に迷って、わざわざ買いに行ったりまでした

今思えば、そんな間抜けな姿さえ、懐かしい






そういえば、明日は午後からオフだ

ジャケットと、洋服以外にもいくつか俺の私物が残っている
明日・・それを回収して、ついでに部屋にこのキーを置いてこようか

そんなことを考えていたら、置きっぱなしたスマホが着信を告げた


『おー!こないだからどうや?藤ヶ谷といちゃつけたかー?』

俺のテンションをよそに、大倉の明るい声が受話器越しに響いた


「それどころじゃねぇよ・・」

『何?!どないしたんっ!』

「俺達・・もうダメかも」

『は?!何弱気なこと言うとんねん?!』

「だって・・」

『おいっ、お前泣いとるんか?なんやねん?!いーから全部話してみぃ!!』

大倉の声を聴くと、心の中に溜め込んでいたものが溢れだしそうになって、
俺はこれまでのいきさつを話した

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設定タグ:キスマイ , 藤北 , 北山宏光藤ヶ谷太輔   
作品ジャンル:タレント
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ピンクピーチ(プロフ) - まほままさん» ありがとうございます!ハピエンありきの拗れ・・ダイスキデス(//∇//)FKの葛藤と、これから、お楽しみください! (2019年8月29日 9時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - こんばんは、お邪魔致します。かく言う私もすんなりより拗らせ系すれ違い系大好物です。もちろんラストはハピエンが良いです(*´艸`)!これからも更新楽しみにお待ちしていますね。 (2019年8月28日 22時) (レス) id: 7707bec53f (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - ゆうりんさん» お仲間がいて嬉しいです(・∀・)こじらせ→ハピエン→いちゃいちゃが大好きなドS作者ですが、更新お楽しみいただけると嬉しいです^_^ (2019年8月26日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん(プロフ) - すんなりハッピーエンドにならないのが好きな私もこじらせ系です(笑)でも今はかなり悲しい苦しい場面ですね……これがあってこそのハピエンだと思いながらも辛いですね〜。藤ヶ谷さん早めにみっくんに会ってあげて〜と祈りながら、次回を待ってます! (2019年8月26日 19時) (レス) id: 94839fccd9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年8月20日 13時

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