side Ki ページ11
「・・怒ってるなら、そういえよ・・こんなの・・」
「北山、お前、なにしてたの？」
「・・え？」
「普段、そんな香りの香水付けないだろ・・」
ふと、着ていたジャケットを脱いで、肩のところに顔を向けると、微かに感じる甘い香り
確かに、俺のものではない
大倉に担がれたときにうつったのだろうか、いや、それしか考えられない
アイツが普段、どんな香水をつけているかなんて、把握していない
どんなに仲が良くても、香りがうつるほど密着することなんて、そうないんだから
考え込むように黙った俺に、先ほどまで、無表情だった藤ヶ谷の顔から、侮蔑の視線を感じた
「藤ヶ谷、お前・・なんか変なこと考えてない？これはきっと、大倉が俺を介抱してくれた時に・・」
「酔っぱらって、ほかの男に抱きかかえられるとか、マジでありえない・・」
「あ・・アイツとは、ただの友達だろっ？男同士だし・・お前だって俺たちが仲いいのは知ってるだろっ？！」
「男同士が言い訳になるなら、そもそも俺たちの関係は破綻してるよね・・」
「いや、そういうわけじゃなくて！！」
「北山が、どうであれ、あっちはそう思ってないかもしれない・・俺のいないところでやましい事があっても、俺には知る由もないし」
「・・は・・？」
藤ヶ谷の、口から発せられた一言に、俺の中の何かがはじけた
ふつふつと湧き上がる、黒い感情が俺の胸を汚す
「藤ヶ谷・・お前、それマジで言ってるの？」
「・・・」
「俺の事、信用できない？」
「・・だって、俺が帰ってきたときもいないし」
「それは、お前が忙しいからだろっ!!!」
思わず、荒げた声に、藤ヶ谷の表情が固まる
わかってる、仕事なんだから仕方ない
最初はそう思っていた
「俺のことなんて・・これっぽっちも考えてないくせに、こういうときだけ・・」
自分の、弱さが露見する
ふいに、押し込めていた感情が支配する
全部、仕方ないことだ
我儘を言えない
我儘だと思われたくない
だけど、その寂しさを埋めるために、大倉を誘った
もちろん、後ろ暗いことなんて何一つない、だけど・・
「もう、いいよ・・・」
藤ヶ谷に、一瞬でも疑われたことが、単純に悲しかったんだと思う
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ピンクピーチ(プロフ) - まほままさん» ありがとうございます！ハピエンありきの拗れ・・ダイスキデス(//∇//)FKの葛藤と、これから、お楽しみください！ (2019年8月29日 9時) (
レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - こんばんは、お邪魔致します。かく言う私もすんなりより拗らせ系すれ違い系大好物です。もちろんラストはハピエンが良いです(*´艸｀)！これからも更新楽しみにお待ちしていますね。 (2019年8月28日 22時) (レス) id: 7707bec53f (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - ゆうりんさん» お仲間がいて嬉しいです(・∀・)こじらせ→ハピエン→いちゃいちゃが大好きなドＳ作者ですが、更新お楽しみいただけると嬉しいです^_^ (2019年8月26日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん(プロフ) - すんなりハッピーエンドにならないのが好きな私もこじらせ系です(笑)でも今はかなり悲しい苦しい場面ですね……これがあってこそのハピエンだと思いながらも辛いですね〜。藤ヶ谷さん早めにみっくんに会ってあげて〜と祈りながら、次回を待ってます！ (2019年8月26日 19時) (レス) id: 94839fccd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピンクピーチ
| 作成日時：2019年8月20日 13時
