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F 4 ページ9

「ゴメン、用事思い出した、ワタ先帰って」


ワタに詫びながら、歩いてきた廊下を逆方向に進む

局をでて、一番近いところにあるコンビニに一目散に入って、ポカリやゼリーを適当に買い込んだ


北山のバカ
なにが、打ち合わせだよ


アイツ、しれっと嘘つきやがった



身体辛すぎて、早く横になりたいんだろうが





手早く会計を済まし、舌打ちをしながらビニール袋を掴んで早歩きで進み
楽屋への道を急いだ



朝、楽屋に入ってきた北山を見た瞬間からおかしいと思った
こんなに暑い中、不自然にマスクしてやがるし、眼鏡でごまかしているその瞳が、あり得ないほど潤んでいた

台本に目を通すふりをして横目でその様子を窺うと、珍しくポカリなんか飲んでやがる

普段よりも、呼吸が荒い気もする




ペア撮影の時に、北山の肩に手を置いた時に、俺の疑惑は確信に変わった

肩に触れた瞬間、ぴくんっと微かに反応した北山
分厚い秋物の衣装越しでもわかるくらいに、ありえないほど火照った身体

いつもの笑顔でカメラを見つめるその視線が、どこかボンヤリしていた


気丈にふるまっているようで、どこかその足元がおぼつかなくて、隣に並びながら
北山がぶっ倒れるんじゃないかと、俺は気が気でなかった

アイツが、もたれかかりやすいように、いつもより少しだけ強めに肩を抱いても、
それにすら気づいていないようだった

身体が辛くても、絶対にそれを言わない負けず嫌いで融通の利かないそういう奴だったと、あたらめて思う

そんなトコロが、心底嫌いだ


なのに、何故だろう




アイツが苦しむ顔は、それ以上に嫌いだった








もし、俺の思い違いで、あの後北山がさっさと帰ったなら、それはそれでいい


「・・・」


そう思いながら楽屋のドアをゆっくり開けると、ソファに上体を預けるようにして、荒く呼吸を繰り返す小さな背中
お前、そこから立つこともできないくらい辛いのかよ





「随分な打ち合わせだな」



その背中に声をかけると、潤んだ大きな瞳がこちらを向いた

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設定タグ:キスマイ , 藤北 , 北山宏光藤ヶ谷太輔   
作品ジャンル:タレント
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ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» ありがとうございます^_^またどこかで、二人の続きをかけたらいいなと思います!! (2019年10月14日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結?おめでとうございます!気に入ってる作品も続きを書いてほしい作品も夢の国キスですー!!私も夢の国に関しては、KさんほどじゃないけどKさん寄りの考え方なので共感しながら読んでました。すれ違っていた2人がやっと両思いになったのでぜひ!続きが読みたいです (2019年10月14日 20時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - ちさん» 投票ありがとうございました!そして早速のコメント嬉しいです(≧▽≦)皆様の反応を参考にさせていただき、もしかしたら続く…かも?(笑) (2019年10月12日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 実は私が投票したものが素敵な短編に仕上がっていてとても感動です(涙)予想以上の仕上がりで普通に1つの作品として読みたくなりました(*^^*)本当にありがとうございます!これからも楽しみにしてます! (2019年10月12日 20時) (レス) id: 20a7b4a7e7 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - たまももさん» ありがとうございます!!執筆します^^ (2019年9月2日 10時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年8月16日 14時

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