Ki 2 ページ7
「ふっ・・はぁ・・はぁ・・」
短く呼吸を繰り返すも、息苦しさは変わらない
酔ったような感覚が気持ち悪くて、薄く目を開いても、視界はぼんやりと歪んでいく
「久々だな・・こんなヤベーの・・」
火照った重い身体を起こすこともめんどくさくて、鞄に手を伸ばして、がさがさと漁って体温計を取り出す
またちょっと上がったかも・・
朝起きると、身体が信じられないほど重かった
昨晩、なんとなく喉に違和感を感じて、入念に加湿して、念のためと風邪薬も飲んだけれど
起きたらその甲斐も虚しく、いつもより明らかに火照った身体を引きずって、なんとか現場入りした
他のメンバーだって、過密スケジュールの合間を縫って、全員の仕事を組んでる
俺一人の体調不良を理由に、予定を変えさせるのが心苦しくて、マネージャーにもバレないようにするのに必死だった
熱があるって言ったら、きっとアイツらは俺に気を遣う
そういう奴らだから
ここ連日、ドラマ撮影に普段の仕事にと、何かとタイトスケジュールをこなす日々
体調管理も仕事の内、と食生活にも気を付けていたつもりだったけれど
ピピっという電子音と共に表示された数値に目を止めた
「39.8・・マジかよ」
体力はあるほうだと思っていたし、しっかり食べて睡眠もとっていたつもりだけれど
春先から続いてきたツアーが終わって、ロスに浸る間もほぼなく次々とこなしてきたスケジュール
「年かな・・」
いや、ツアーが終わって、ちょっと気が緩んだのだろうか、そうだとしたら、情けねぇな
あー、熱だけじゃなく、頭痛までしてきやがった・・
ズキズキするこめかみ
痛みを感じる喉を潤そうとペットボトルに手を伸ばすと、あまりの軽さに目を凝らす
透明な容器の内側を流れる雫
そっか、さっき全部飲んじまった
「クソっ・・」
風邪にはポカリという安易な発想
それでも、飲まないよりは、なんとなく熱が下がる気がして、朝からがぶ飲みしていたけれど
熱は下がるどころか、朝には38度台前半だった熱がじわじわと体を蝕んでいく
幸い、撮影は夜からだ
ちょっとここで休んでいけば・・マシになるかも
財布を片手に、力の入らない足を地面におろして体を起こすと、膝からガクッと崩れ落ち、ソファに思わず手を突いた
「は・・マジでヤバい・・」
ドクドクという鼓動が、耳元で聞こえるように体中が火照って汗が滴る
ソファのスプリングが、ぎしっと音を立てるほどに、強く力を入れて立ち上がろうと膝をたてた瞬間
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ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» ありがとうございます^_^またどこかで、二人の続きをかけたらいいなと思います!! (2019年10月14日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結?おめでとうございます!気に入ってる作品も続きを書いてほしい作品も夢の国キスですー!!私も夢の国に関しては、KさんほどじゃないけどKさん寄りの考え方なので共感しながら読んでました。すれ違っていた2人がやっと両思いになったのでぜひ!続きが読みたいです (2019年10月14日 20時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - ちさん» 投票ありがとうございました!そして早速のコメント嬉しいです(≧▽≦)皆様の反応を参考にさせていただき、もしかしたら続く…かも?(笑) (2019年10月12日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ち(プロフ) - 実は私が投票したものが素敵な短編に仕上がっていてとても感動です(涙)予想以上の仕上がりで普通に1つの作品として読みたくなりました(*^^*)本当にありがとうございます!これからも楽しみにしてます! (2019年10月12日 20時) (レス) id: 20a7b4a7e7 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - たまももさん» ありがとうございます!!執筆します^^ (2019年9月2日 10時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年8月16日 14時