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F 8 ページ38

俺のほうを見ないまま、北山は、手の甲で口元を抑えた


「泣いてなんか・・」

「ウソ、なんで・・」

「泣いてねぇからっ!!」



顔を歪めて、苦しそうな表情を見せて、
後ろを向いた北山の、肩を無理やりつかんで、こちらを向かせた

切なそうに、眉を寄せた北山は、潤んだ目をしていて、辛そうに何かに耐えて、俺を見た



「お前だけ・・辛いなんて、思うなよっ!!」



細く、小さく呟いた、震える肩

嫌だ

その先は、聞きたくない
その先を聞いたら



「っ・・!!」



視界が、揺れた瞬間、

畳の、感触を背中に感じて、見上げたそこには北山の顔と天井が映った



「藤ヶ谷・・・」


呼吸が、聞こえるくらいの、距離

近づいた互いの顔

鼻先が、微かに触れた



「きたや、ま・・お前・・バカじゃねぇの・・」


俺の上の、引き締まった胸板を、ぐっと押し上げた
それはせめてもの抵抗



「俺・・お前のことなんて、もう・・好きじゃねぇから・・勘違いすんな」



北山の、大きな瞳が、哀色に揺れた

あの頃とは違う、無邪気に笑いあって抱き合っていた俺たちの背中には、



なにもなかった



責任も、重圧も・・



ただ夢を描いて、自由だった


「俺・・酔ってるから」



北山が、ポツリとつぶやく


「きっと・・明日になったら全部忘れてる」


俺の、肩をその小さい手がキュッとつかんだ



「酔ってるから・・思ってもない事、いう・・」



赤い、ふっくらとした唇が


言葉を零す


俺を組み敷いて、あの日の様に・・俺を、抱いていた遠い日のような目で

俺を見るお前は、何よりもきれいだよ

「好き」




あの頃と同じように、その唇が、俺の鎖骨に埋まった


「藤ヶ谷のこと・・・好き、ずっとずっと・・好きだったよ」


耳元で感じる、北山の紙から薫る、シャンプーの香りが鼻先を掠めた

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設定タグ:キスマイ , 藤北 , 北山宏光藤ヶ谷太輔   
作品ジャンル:タレント
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ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» ありがとうございます^_^またどこかで、二人の続きをかけたらいいなと思います!! (2019年10月14日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結?おめでとうございます!気に入ってる作品も続きを書いてほしい作品も夢の国キスですー!!私も夢の国に関しては、KさんほどじゃないけどKさん寄りの考え方なので共感しながら読んでました。すれ違っていた2人がやっと両思いになったのでぜひ!続きが読みたいです (2019年10月14日 20時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - ちさん» 投票ありがとうございました!そして早速のコメント嬉しいです(≧▽≦)皆様の反応を参考にさせていただき、もしかしたら続く…かも?(笑) (2019年10月12日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 実は私が投票したものが素敵な短編に仕上がっていてとても感動です(涙)予想以上の仕上がりで普通に1つの作品として読みたくなりました(*^^*)本当にありがとうございます!これからも楽しみにしてます! (2019年10月12日 20時) (レス) id: 20a7b4a7e7 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - たまももさん» ありがとうございます!!執筆します^^ (2019年9月2日 10時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年8月16日 14時

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