7flavor of kiss

偽りの愛してる ページ31

お気に入り登録700名ありがとうございました！！
引き続き更新頑張ります！

リクエスト作品 人工呼吸でキス

前作とうって変わって、切ない北藤をどうぞ
ご注目！藤北ではなくて、北藤でお送りします！！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


「もうっ・・、少しだけ」


「・・ダメだよ」




合わせていた唇は、まだ温かさが残る

お前は、いつだってズルい
そんな顔をして、ダメなんて・・離れられるはずない


離れたくない
だって、ずっとずっと一緒だったじゃん

なんで、なんで終わりなの



その言葉を、飲み込んで、押し返された体、

唇を離すと、どちらのモノかわからない銀糸がつッと伝い、やがて切れた

俺達ように


これが、最後のキス




涙が、乾かないうちに次から次へと溢れだして、俺の頬を伝っていく
その雫を、ただ見つめて、切なそうにその瞳を伏せた




「ごめんな・・ごめんっ・・」


「あやま・・んなっ・・二人で決めたことだから」



強がった

本当はそんなこと微塵も思っていない

側にいたい
いつもみたいに触れてほしい

お前だけ愛しているって、その煽るような目線で俺の事を縛り付けてほしい
抱きしめて、声、きかせろって、低く呟いてほしい

俺のナカで、恍惚とした表情で、キレイって呟くお前が好きだった




「もう・・お前の涙、拭いてやれないっ・・から」


そう、苦しそうに言ったお前の涙を、見たくなかった

知りたくなかったよ



「愛してる・・愛して・・た」





その、愛してるは、サヨナラよりも残酷だ

俺の心に突き付けられたナイフは、俺の心を簡単に抉る

愛してるなんて、言われるなら、大嫌いと言ってほしい


もう二度と、お前を思い出さないように



これっぽっちも、好きじゃなかったって言ってくれたら


もう、お前の事を・・忘れられるのかな




「お前なんて・・嫌いだ」




嫌いだ

嘘だ、嘘だけど・・


自分の心を守るように呟いた




こんなことを思い出すなんて、俺、おかしいな


もう、８年も経っているのに

F 2→←F 14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す