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F 13 ページ29

薄暗い、入場ゲート付近

遠くで、ショーの光と音楽が微かに聞こえて、たまにライトで照らされる、北山の顔は、どこかはかなげで寂しそうだった


「・・・好き」

「えっ・・」


好き

そう聞こえた気がした

だけど、もしかしたら、これは夢の国が見せた幻なんじゃないかって
そんな都合のいいこと、起こるわけないって、もう一度北山の顔を覗き込んだ


「は・・ははっ・・ごめん、忘れて。明日からちゃんとするから・・聞かなかったことにして」


そういうと、潤ませた大きな瞳を逸らして、つかんでいた俺の裾をふっと手放した

すぐに、お前はそうやって俺の前から目をそらす
だから


「ヤダ」


今度は逆に

俺が、北山の手首を握りしめた




「お前・・ずるい。俺返事してねぇし、勝手に自己完結すんな」


「っ・・」


「もう一回、ちゃんと俺のほう見て言えよ・・・」


「・・・」



北山が逃げないように、肩をつかんで、俺のほうを向かせる
躊躇うように、俯く視線は泳いでいて、俺と交わることはない

相変わらず、遠くのほうで聞こえる、音色
そろそろ、クライマックスか

薄暗い中、家路を急ぐ人たちの影は、見えない
だけど・・もう少し

きっと、フィナーレに向けたショーに夢中なんだろう

もう少しだけ…このままで


「もう、いい・・・」


俺の中の我慢の糸がぷつりと切れて
押し黙ったまま、目を赤くして、俯いている北山の顎をつかんで強引に上を向かせた

ふと、絡まる視線

うっすらと涙をためた、目
赤く、果実のような唇

身勝手で、ごめんな…

北山の、その頬に添えた手に力を込めて呟いた



「嫌なら、殴ってでも逃げろ」

「え・・」

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設定タグ:キスマイ , 藤北 , 北山宏光藤ヶ谷太輔   
作品ジャンル:タレント
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ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» ありがとうございます^_^またどこかで、二人の続きをかけたらいいなと思います!! (2019年10月14日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結?おめでとうございます!気に入ってる作品も続きを書いてほしい作品も夢の国キスですー!!私も夢の国に関しては、KさんほどじゃないけどKさん寄りの考え方なので共感しながら読んでました。すれ違っていた2人がやっと両思いになったのでぜひ!続きが読みたいです (2019年10月14日 20時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - ちさん» 投票ありがとうございました!そして早速のコメント嬉しいです(≧▽≦)皆様の反応を参考にさせていただき、もしかしたら続く…かも?(笑) (2019年10月12日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 実は私が投票したものが素敵な短編に仕上がっていてとても感動です(涙)予想以上の仕上がりで普通に1つの作品として読みたくなりました(*^^*)本当にありがとうございます!これからも楽しみにしてます! (2019年10月12日 20時) (レス) id: 20a7b4a7e7 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - たまももさん» ありがとうございます!!執筆します^^ (2019年9月2日 10時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年8月16日 14時

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