船上カフェをやってる私はヤバい人です2 (ページ36)

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新たな客が83人ページ36

｢エース…あんたはお兄ちゃんなんだからちゃんとしろとかそんなことは言わない…

時には泣いたっていい……

でもその分笑っていて

いつものエースでいて｣

昔のように彼の頭を撫でて笑えばエースはボロボロと涙を流した。

｢ルフィ…お前はよく泣くけどその分優しい子だ…

時々お兄ちゃんであるエースを支えてあげて

それと大切な仲間を忘れないであげて…

約束してくれる…？｣

既に大泣きしているルフィをなだめるように頭を撫でてゴムのように伸びる頬を笑わせるように上げると私は両手をおろし、2人の手を強く握った。

｢あんたらは鬼の子でも、最悪の世代のルーキーでもない…！

私の大事な弟だ…！

絶対に生きて…早くに死んで私に会いに来るなんてバカなことしないでね…！｣

言わなきゃダメだ

これを言わないと死んでも死にきれない

｢あんたらを1番愛しているのは世界を探してもこの私しかいないんだから…！

ありがとう、“愛してる”｣

意識が薄れゆく中泣き叫ぶ2人の声が聞こえてもしかしたら彼に聞こえているか分からない

だけど最後の力を振り絞ってこう呟いたのだ。

｢あとは頼んだわよ…

神さん｣

私の意識はここで途絶えてしまった

Aが死んだ

こうやって彼女が死んでいくのを見るのはこれで3回目だ。

あと何回彼女が苦しんで死ぬのを見なければならないのだろうか？

｢あとは頼んだわよ…神さん｣

僕はその言葉の約束を守らなければならない

今だけはこの神の力を君のために使うよ

何も無い空間を歪ませワープホールを作るとそこをくぐって死体になった彼女の前にワープした。

それを見るだけで辛いし苦しい…だけど約束は守らないとね

｢まずは弟くん達の避難とAの回収…あぁ、そこのわんちゃんはもうお座りしなくていいよ｣

あっという間に風で彼らを船に飛ばしAを姫抱きすると彼女が出した鎖をしまい赤犬と呼ばれる男を解放した。

こいつがいなければ今頃彼女は苦しい思いをしなくて済んだのに……

なんて感情的になってる暇はない

ある程度仕事を終わらせると生きてる海賊を全て逃がして1人壁となっている白ひげという年老いた男に僕は話しかけた。