船上カフェをやってる私はヤバい人です2 (ページ35)

今日:4 hit、昨日:30 hit、合計:41,456 hit

新たな客が82人ページ35

血なまぐさい恐ろしい光景

ただ1人の海賊を処刑するだけのために設けられたこの場所はその役目を果たせているのか否か

今、1人の人間がこの世界を変えてしまう行動をした。

生存した者だけが見つめる先…それに対して驚く者もいれば涙を流す者もいた。

そして彼らも

｢姉…ちゃん……？｣

｢嘘だろ…？おいっ！姉貴！｣

この場にいる全ての人が見つめる先にいたのはマグマのように赤い犬の拳を受けた姉と呼ばれる彼女がいた

彼女の体を貫いた赤犬本人でさえも動揺を隠せなかった。

それもそうだ、彼は意味無く上司に牙を向けたことになるからだ

だが彼女は言った

｢はぁ…はぁ…犬……お前は悪くない

お前は正しいことをしたんだ……｣

そう、彼は正しいことをしたに過ぎない

海軍という組織の頂点に立つもの者が裏切ったから制裁を加えただけなのだ。

｢悪いが…犬はお座りしてろ…｣

体に突き刺さった拳を引き抜かれた者は震える手を合わせ彼女にしか出来ない能力を使った。

何も無い空間から現れたのは力ある者の動きを封じる物

彼女に言われた通り忠犬のように座るのを確認すると彼女は溜息をつきながら地面に吸い込まれるように仰向けに倒れた

ひびの入った仮面は完全に真っ二つに割れ彼女の顔の横に落ち、完全に役目を終えたように力を失ってしまったのだ

彼女はもう嘘をつかなくていい

｢姉ちゃん！なんで…！？｣

質問になって居ない言葉を繋げているルフィの言葉を理解した私は弱々しく笑いながら両手を伸ばした。

右手はルフィ

左手はエース

良かったどちらも生きてる

私は2人の命を守ることに成功したんだ

喜びたい気持ちはやまやまだが、私にそんな元気はもうない

腹を熱いマグマが貫いて幾つかの臓器を失ってしまった。

足の感覚もない

動かせるのは両腕と首から上だけ

私は無理して笑って涙を流し途切れ途切れにこう言った。

｢ごめんねぇ…！

私、バカだからこんな方法しか思いつかなかった……｣

私が馬鹿だから準備に10年もかかっちゃった

ずっとエースを助けたい一心でこんなことをしてしまった

神さんはきっと怒ってるだろう

九ノ恵達妖怪もきっとそうだ

結局私はこの力を使いこなせなかった

自分の身を犠牲にする方法以外にあったはずなのにこの方法を選んだ。

それはきっともう1人の記憶を失った兄弟が思い出してくれることを願ってだと思う。

もう私の命の灯火は残り僅かだ

最後にこの言葉を言っておきたい