捌拾陸の目 ページ36
やがて鼓の音が止んだ。
幾つか部屋の戸を開けて中を確認したが誰もいない。
あるのは人の亡骸のみで生存者はいない。
『よっこいしょ…炭治郎達は外に出たのか。』
亡骸を抱き上げて外を目指すと、なにやら外が騒がしい。
眩しい陽の光に顔を顰めながら屋敷を出ると俺は呆れてため息をついた。
『なにしてんのお前ら…』
｢あっサイコロさん！無事だったんですね！｣
ボコボコに殴られた跡のある善逸、疲労はあるものの比較的元気な炭治郎、そして…そこで倒れてる上半身裸の男の子は恐らく彼だろう。
｢あの…サイコロさんが抱きかかえているのはもしかして……。｣
『まだ屋敷の中にいる、鬼の残党も処理したから手分けして埋葬しよう。』
ひとまず埋葬する予定の場所の前に亡骸を置いて腕を捲るとその辺にあった農具を利用して穴を掘り始めた。
文明の利器は使い方が違っていたとしても使うべきさ。
なんて言ってる間に炭治郎が次々と屋敷の中からピクリとも動かない人を連れてきた。
足だけとか手だけ、更には頭だけない人もいたから胸が苦しいな。
まあそんなこと言って立ち止まってるほど俺は暇じゃない。
まずは武器を握れ、元凶である奴を倒すまでは絶対に立ち止まらない。
自ら戦う道を選んでしまったのなら、そう考えてしまったのならその道を外れるわけにはいかないんだ。
埋葬もまだ終わりそうにない事実に途方に暮れている中、ようやく猪が目を覚ました。
彼の扱いは炭治郎に任せるとして俺は猪くんと交代して子供達を家まで送ることにした。
炭治郎の鴉には埋葬後に指定の藤の紋の屋敷に行くようにと言って立ち去ったけど大丈夫だろうか。
『君は炭治郎達の監視を頼む…一人の体では限界があるから君が僕の目になってくれ。』
｢かしこまりました。｣
小声で俺の鴉にお願いをすると足を怪我した少年を背負ってあと2人に案内をお願いした。
今日の俺はよく働くな…いや、細かい仕事は2人の補佐に手伝ってもらってたからそう感じてしまうのだろうな。
なんだか2人に会いたくなってきた。
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シロヌコ(プロフ) - サイステ先輩が推しになりそうというか推しましたありがとうございます (2022年12月2日 16時) (
レス) @page47 id: 09da8bad9a (このIDを非表示/違反報告)
何でもないひとだよぉ(プロフ) - なんか面白そうなタイトルじゃんと思ってみたらなんなんですか…くそおもろいじゃないですか！応援してます。更新これからも頑張ってください！！！！ (2022年11月16日 21時) (レス) @page44 id: 9cea2e06fa (このIDを非表示/違反報告)
オタク - 読む前「何か面白いタイトルやー」読んだあと「は？面白すぎんだろ。、、天才か？」サイコロステーキ先輩だって事忘れる面白さ。これからも頑張ってくだせい！！ (2022年10月9日 19時) (レス) id: da08d8ca50 (このIDを非表示/違反報告)
美奈(プロフ) - 成り代わりが読みたくて探していたらまさかのサイステ先輩の成り代わりに驚き、読み始めたら面白くて止まらず、ここまで読んでしまいました…控えめに言って神…続き楽しみにしてます！ (2022年8月6日 21時) (レス) @page18 id: 654a1bab90 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - この作品最高です!!これからもがんばってください!!!!! (2022年7月13日 23時) (レス) @page2 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：またたびはまた | 作成日時：2022年7月12日 20時
