漆拾弐の目 ページ22
浅草
夜になっても明るいこの街は都会と呼ぶに相応しいと自信を持って言える。
しかし都会の人の多さに慣れていないと炭治郎のように目を回してしまうのだ。
『人気の少ない場所に行こう
そこならまだ落ち着けるから…。』
｢は…はひ……｣
もはや返事とも言えないなこれ
大通りを外れて落ち着けそうなうどん屋さんを見つけると、ちょうど良いと判断して寛ぐことにした。
『店主殿、かけうどんを2つこの子達に頼む』
｢はいよ！面布の兄ちゃんはいいのかい？｣
俺というよりいらないのは禰豆子だけどな
にっこりと笑ってお願いしますとだけ言えばお茶を出してくれた。
先に人混みに酔った炭治郎が飲むべきだろう
『ほい、炭治郎くん』
｢ありがとうございます……
……!?｣
突然目を丸くしてスっと立ち上がる彼は先程まで人混みに酔っていたとは思えない体幹の良さである。
どうやら奴の匂いを嗅ぎ取ったようだ
するりと手から落ちる湯呑みをすかさずキャッチすると、それも気にすること無く炭治郎は何処へ走り去ってしまった。
『おやおや…すまぬがこの娘を見守ってはくれぬか？
禰豆子さん、辛かったら寝て待っていなさい』
湯呑みを置いて炭治郎の走り去っていく方向を確認すると一般隊士と変わらぬ遅さで走る。
それにしても人が多い…せめて音とかで何処に彼がいるのかを確認したいのだが
｢キャァァァァッ!!｣
あそこか
グッと足に力を入れて高く飛び上がると狙いを定めて異常な者の背中に着地した。
｢ガァッ！｣
『こらこら落ち着きなさい…っ』
関節技を利用して動きを封じ込めると深く息を吸い込んでさらに力を強めて決して緩むことの無い拘束具のように固めた。
『炭治郎くんは女性の怪我を処置しなさい、この人には決して人殺しをさせてはいけない。』
｢っ！はい！｣
良い返事をして肩を噛まれた女性に駆け寄って状態を見る彼の姿を確認して、再度鬼になった男に視線を移した。
手遅れなのはわかるがここで頸を斬れば大事になるしやったらやったで後々面倒なのだ。
｢おい！何事だ!?｣
まずい…警察まで来やがった
警察に任せれば事態は悪化することは分かりきってる
しかしどうすればいいんだ…？
＿＿惑血 視覚夢幻の香
｢貴女方は…鬼にも人という言葉を使ってくださるのね。｣
ふわりと香る不思議な匂い
あぁ…これならどうにかなりそうだ。
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シロヌコ(プロフ) - サイステ先輩が推しになりそうというか推しましたありがとうございます (2022年12月2日 16時) (
レス) @page47 id: 09da8bad9a (このIDを非表示/違反報告)
何でもないひとだよぉ(プロフ) - なんか面白そうなタイトルじゃんと思ってみたらなんなんですか…くそおもろいじゃないですか！応援してます。更新これからも頑張ってください！！！！ (2022年11月16日 21時) (レス) @page44 id: 9cea2e06fa (このIDを非表示/違反報告)
オタク - 読む前「何か面白いタイトルやー」読んだあと「は？面白すぎんだろ。、、天才か？」サイコロステーキ先輩だって事忘れる面白さ。これからも頑張ってくだせい！！ (2022年10月9日 19時) (レス) id: da08d8ca50 (このIDを非表示/違反報告)
美奈(プロフ) - 成り代わりが読みたくて探していたらまさかのサイステ先輩の成り代わりに驚き、読み始めたら面白くて止まらず、ここまで読んでしまいました…控えめに言って神…続き楽しみにしてます！ (2022年8月6日 21時) (レス) @page18 id: 654a1bab90 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - この作品最高です!!これからもがんばってください!!!!! (2022年7月13日 23時) (レス) @page2 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：またたびはまた | 作成日時：2022年7月12日 20時
