45話 ページ46
サザンドラの尻尾に食らいつくように噛み付くフライゴンの体力ももう僅かだ。
それは羽の動きを見ればわかる
だから私はサザンドラにフライゴンを振り落とさずに掴むように指示した。
『最後にもう一度あげるよ…かえんほうしゃ!』
キ「至近距離にしたのが間違いだな…!
りゅうのはどう!」
なるほどね…そういうこと
互いに口を開けてエネルギーを溜める2体のポケモンは上空で技がぶつかり合って爆発した。
黒い煙に包まれた2体のポケモンは力無く落ちて行き、ドサッ!…と音を立てて地面に落ちた。
2体とも動かない…が、しかし立ち上がったのはサザンドラだった。
ジ「そっ…そこまで!
勝者、Aとサザンドラ!」
静寂を切り裂くような声と共に勝敗が決まり、私はその場に座り込んだ。
久しぶりにこんなに熱いバトルをしてしまった。
大分口が悪くなってまたワタル兄様に怒られてしまう。
あっでもバトルに勝ったからそれでチャラにして貰えないだろうか…。
キ「まじかよ…一番コンディションが良かったフライゴンでも勝てないのかよ」
がっくりと項垂れるキバナは走って倒れ伏すフライゴンの傍に行って優しく声をかけていた。
私はフラフラなサザンドラを支えるように腕を伸ばしてキバナ達に近づいた。
〈マスター、フライゴンは気絶した状態でしっぽに噛み付いてきた。〉
『嘘…本当にキバナに似たポケモンね』
何がなんでも食らいついてやるというところが主人に似てるから笑ってしまう。
近づく私たちに視線を向けたキバナは私に聞いてきた。
サザンドラはなんて言っていたのか…と
だから小さな声で教えてやったら驚いて、そして直ぐに笑ってた。
私はと言うと、フライゴンの羽などを見て今後のポケモンバトルに支障がないかを確かめた。
『少し羽に傷がついているけど、直ぐに修復できるわね…。
しばらくは休ませてあげてください。』
キ「お〜…流石はドラゴン博士」
おいやめろ
溜息をつきながらキバナにデコピンをすると、直ぐに立ち上がってサザンドラをボールに戻した。
『私の勝ち…だからデートは無し
後でジュースでも奢ってもらいます。』
にっこりと笑ってクルリと方向転換をすると、私はワタル兄様の元へと走って行った。
バトルに勝ったこととか少し考えた戦略を褒めてもらいたかったから。
『兄様!私勝ちまs…痛っ!?』
そしたら何故かデコピンされた。
超痛い!
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作者名:またたびはまた | 作成日時:2021年8月9日 23時