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3話 ページ4

日々の鍛錬を続けることによって得たものは、ドラゴンのように強靭な肉体だった。

まるで己がポケモンだと錯覚するほどには強くなった。


『よし…今日はここまでかな

ありがとうねハクリュー。鍛錬に付き合ってくれて』


汗を拭いて目の前にいるハクリューにお礼を言うと、ニコニコと笑ってどういたしましてと返してきた。


〈それにしても…まさか私達の言葉がわかるなんて思わなかったわ。

Aは特別な人間なのね〉

『やっぱり特別…なのかな?』


火照った体を冷やすために足のみを湖につけていると、両サイドにハクリューが来て私に話しかけてきた。

そう…この2匹のハクリューは、前回私を岩陰から見てきた2匹のミニリュウなのだ。

時の流れがとても早く感じる


『そうだ…そろそろ修行を終えないといけないの

そうなったら君達とも一時のお別れだ。』


そう言えば寂しそうな顔をするハクリュー達

周りにいる他のポケモン達も私の言葉に反応するように出てきて、私との別れを惜しんでくれた。

こんなにも素敵なポケモン達と出会えたことは奇跡なんだろうな

私は笑って湖から足を出すとスっと立ち上がって声を大きくして言った。


『皆、私の修行に付き合ってくれてありがとうね!』


おかげで良い経験が出来たよ

そろそろこのりゅうのあなを出ないとだな

この場所のほとんどは湖が占めていて、水ポケモンも多い

だからここを出る時は、泳げるポケモンの力を借りなければならないのだ。

私は指笛を鳴らしてしばらく待つと、水面からゆっくりと姿を現した巨大なポケモンにお願いした。


『今日でこのりゅうのあなでの修行を終えることになりました。

ここを出たいから力を貸して、ギャラドス』


こいつもまた私の鍛錬に付き合ってくれたポケモンの一匹で、初めて出会った時は小さなコイキングだった。

それがこんなに立派なギャラドスになるなんて…

感動のお別れはかなりさっくりと終わってしまい、皆からは体に気をつけろやらまた会おうねと言われて私だけが泣いてしまった。


『皆〜元気でなぁ〜!』

〈頼むから僕の頭上で泣かないでくれ…頭が痛くなるし、お前の涙は僕の体には熱いんだ。〉


一人称が僕のギャラドスにそう言われてピタリと涙を止めると、私は涙を拭いてメモした。


『なるほど…ギャラドスは人間の涙程の水温は苦手と

後で涙の温度を測っておくか!』


修行をしても相変わらずのポケモンポケモンバカみたいだ。

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作者名:またたびはまた | 作成日時:2021年8月9日 23時

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